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消費者物価(全国20年8月)-コアCPI上昇率は10月以降、▲1%程度のマイナスに
経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎
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1.コアCPI上昇率は3ヵ月ぶりのマイナス

「Go To トラベル事業」の開始によって、宿泊料が7月の前年比▲4.5%から同▲32.0%へと下落幅が急拡大したことがコアCPIを大きく押し下げた。総務省によれば、「Go To トラベル」の影響による宿泊料の下落率は前年比▲24.9%で、これだけでコアCPI上昇率は▲0.4%程度押し下げられた。
生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI)は前年比▲0.1%(7月:同0.4%)と3年5ヵ月ぶりのマイナスとなったが、生鮮食品が前年比13.6%と高い伸びを続けたため、総合は前年比0.2%(7月:同0.3%)と16年10月からプラスを維持している。

一方、食料(生鮮食品を除く)は前年比0.9%となり、7月の同1.0%から伸びが鈍化した。食料(生鮮食品を除く)は20年1月の前年比1.9%をピークに伸び率の低下傾向が続いている。内食需要の高まりから高めの伸びが続いていた菓子類が5月の前年比3.0%から8月は同1.2%まで伸びが低下している。
コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが▲0.44%(7月:▲0.51%)、食料(生鮮食品を除く)が0.09%(7月:0.11%)、その他が▲0.38%(7月:0.07%)であった(当研究所試算による消費税、教育無償化の影響を除くベース)。
2.上昇品目数の減少が続く

上昇品目数の割合は20年7月に50%を割り込んだ後、8月はさらに低下した。当面、物価下落圧力の強い状態が続くため、先行きは下落品目数が上昇品目数を上回る可能性もあるだろう。
3.コアCPI上昇率は10月以降、▲1%程度のマイナスに
個人消費は緊急事態宣言解除後の6月にはペントアップ需要の顕在化や特別定額給付金の効果から急回復したが、7月には天候不順や新型コロナウィルス陽性者数の再拡大の影響もあって早くも足踏み状態となった。定額給付金の支給はほぼ終了しており、今後は雇用所得環境の悪化が家計の可処分所得の減少に直結する形となるため、先行きの個人消費の持ち直しは緩やかにとどまることが見込まれる。
コアCPI上昇率は、需給面からの押し下げ圧力が強い中で、10月以降は消費税率引き上げ(+幼児教育無償化)の影響が一巡することから、マイナス幅が▲1%程度まで拡大することが予想される。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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(2020年09月18日「経済・金融フラッシュ」)
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