2020年08月06日

放射線によるがん治療の高度化-放射線医療の現状 (後編)

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也

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■要旨

前稿(前編)では、放射線とそれを用いた検査や診断の概要をみていった。

本稿は、主に、放射線治療をテーマとする。放射線治療は、20世紀に、放射線や原子力に対する研究の進展とともに、進歩していった。さまざまな機器が開発されており、現在では、重要ながん治療法の1つと位置づけられている。

本稿を通じて、読者に、放射線治療への関心と理解を深めていただければ、幸いである。

■目次

0――はじめに
1――放射線治療の実施状況
  1|放射線治療は徐々に増えている
  2|日本は欧米に比べて放射線治療の実施割合が低い
  3|放射線治療に対して、患者はさまざまな不安を持っているとみられる
2――放射線治療によるがんの治療
  1|放射線治療の目的は、根治だけではない
  2|放射線治療は臓器の温存ができる
  3|放射線治療と他の治療法を組み合わせることもある
  4|放射線治療はがん以外の治療にも行われる
3――放射線治療はなぜ効くのか
  1|放射線がDNAに与える作用には直接作用と間接作用がある
  2|放射線照射後のがん細胞と正常細胞の応当の違いが治療のカギ
  3|細胞分裂を繰り返す組織ほど放射線の影響を受けやすい
  4|放射線治療においては、正常組織の照射が耐容線量未満となるよう考慮する
  5|放射線治療には、専用の設備や施設が必要
  6|放射線ごとに体の深部に達する線量は異なる
4――放射線治療の分類
  1|放射線治療は、外部照射、小線源療法、内用療法に分けられる
  2|通常の外部照射では、照射部位などに応じて、照射方法が使い分けられる
  3|外部照射の技術革新が進み、高精度放射線治療が行われるようになっている
  4|小線源療法の腔内照射は高線量、組織内照射は低線量で行われる
  5|内用療法は、病気の種類ごとに、放射性同位元素が使い分けられる
5――放射線治療計画の策定
  1|放射線治療では、綿密な治療計画を立てる
  2|放射線治療に必要な総線量は、がんの種類によって異なる
  3|放射線の方向、形、分布の設定には、2つの方法がある
6――放射線治療装置
7――放射線治療の有害事象
  1|急性期反応は、回復することが一般的
  2|晩期反応は、回復困難な場合が多い
  3|放射線が人体に与える影響には、確定的影響と、確率的影響がある
8――おわりに (私見)
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保険研究部   主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴
  • 【職歴】
     1992年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所へ

    【加入団体等】
     ・日本アクチュアリー会 正会員

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