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世界各国の金融政策・市場動向(2020年6月)-欧州で追加緩和、株はFOMC前後で乱高下
経済研究部 主任研究員 高山 武士
1.概要:欧州で追加緩和・株は乱高下
1 本稿では金融政策はG20について確認する。また、株価・為替についてはMSCI ACWIの指数を構成する49か国・地域について確認する。中国と記載した場合は中国本土を指し香港は除く。また、香港等の地域も含めて「国」と記載する。
2.金融政策:欧州で資産購入規模拡大を決定
日本銀行は大枠の長短金利目標と資産買入方針の変更はしなかったが、新型コロナウイルス感染症対応金融支援特別オペ(5月導入の「新たな資金供給手段」を含む)の実施枠を拡大し110兆円とし、コロナ対策としての緩和姿勢を見せた。FRBは連邦公開市場委員会(FOMC)では政策の変更を実施しなかった3。他方で、3月に公表していた資産購入策のうち、16日にはSMCCF(流通市場社債購入ファシリティ)の詳細を更新、社債ETFに続き社債購入を開始した。また、29日にはPMCCF(発行市場社債購入ファシリティ)の詳細を更新、運用開始を発表した。
新興国では、ブラジル・インドネシア・ロシア・メキシコ・ハンガリーで政策金利の引き下げを実施している。特にブラジルは昨年8月の利下げ以降、毎会合での利下げを実施しており、6.5%から3.0%まで3.5%もの利下げに動いたことになる。メキシコも同様に昨年8月以降の連続利下げであり利下げ幅は8.25%から5.00%までの3.25%となった。金利引き下げは通貨安懸念にもなるが、通貨安リスクを負いつつも景気減速や低インフレへの対応をする姿勢を見せている。
2 BOEについては高山武士(2020)「英国金融政策(6月MPC)-経済持ち直しで追加緩和も最低限」『経済・金融フラッシュ』2020-06-19、ECBについては高山武士(2020)「ECB政策理事会-6000億ユーロの増額決定」『経済・金融フラッシュ』2020-06-05を参照。ECBはPEPPの購入額の増額とともに、購入期限の延長(少なくとも20年末→21年6月末)と再投資方針(再投資は少なくとも2022年末まで実施する)についても決定した。
3 FRBのFOMCの詳細ついては、窪谷浩(2020)「【6月米FOMC】予想通り、従前の金融政策を維持。22年までの実質ゼロ金利政策維持を示唆」2020-06-11を参照。
3.金融市場:株は乱高下する展開
4 名目実効為替レートは6月23日の前月末比で算出。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2020年07月01日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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