2020年06月22日

ドル円相場の膠着はまだ続くか?~マーケット・カルテ7月号

経済研究部 上席エコノミスト   上野 剛志

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為替・金利 3ヶ月後の見通し ドル円は月初の米雇用統計が予想外の改善を示したことで一旦上昇したものの、その後のFOMCでゼロ金利の長期化が示されドルがやや売られたうえ、米国でコロナ感染第2波への警戒が高まったことでリスクオフ(回避)の円買いも入り、足元は1ドル106円台後半にある。4月以降106円台から109円台での一進一退の展開が続いているが、背景には日米間で景気や金融政策の方向性にほぼ差が無くなっていることがあり、当面は大きな変化が見込み難い。

従って、今後もドル円のトレンドは出にくいが、内外で経済活動の再開が続き、世界経済が回復に向かうとみられるため、リスクオン(選好)の円売りによるドル円の持ち直しが予想される。一方、今後も感染第2波や米中対立激化に対する警戒が燻ることで、リスクオフの円高圧力は残るため、ドル円の上値も抑制されそうだ。3か月後の水準は現状比でややドル高の108円台と予想している。なお、今後仮に米国等で感染第2波が到来した場合には、基本的にはリスクオフの円高反応が予想される。ただし、3月後半のようにドル需給の逼迫を伴う場合にはドル高に振れる可能性があり、決め打ちは出来ない。

ユーロ円は、今月に入り、復興基金や域内景気の持ち直しへの期待を受けて一旦ユーロ高に振れた後、基金合意の先送りやリスクオフの円高圧力台頭を受けてユーロ安が進み、足元は119円台後半にある。今後は、ドル円同様、リスクオンの円売りが優勢となり、ユーロ円の持ち直しが予想されるが、リスクオフの円高圧力も残るため、3か月後の水準は現状比で小幅な上昇に留まると見ている。なお、復興基金の合意は不透明感が強いが、賛成派と反対派がそれぞれ譲歩する形で落ち着けば、影響は限定的だろう。

長期金利は、国債増発と景気回復期待が金利上昇圧力になる一方で、日銀の積極的な国債買い入れ方針と感染第2波等への警戒が抑制圧力となる形で、0.0%を若干上回る水準での推移が続いている。今後も国債増発や景気回復期待による金利上昇圧力が見込まれるが、日銀は景気等への配慮から上昇を許容しないだろう。3か月後の水準は現状比で横ばい圏とみている。
(執筆時点:2020/6/22)
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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

(2020年06月22日「基礎研マンスリー」)

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