2020年06月16日

アリババ、慢性病患者でも加入可能なP2P癌保障を発表【アジア・新興国】中国保険市場の最新動向(42)

保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 片山 ゆき

文字サイズ

■要旨

アリババ・グループは「相互宝」シリーズの第三弾として、「慢性病互助プラン」を発表した。これは、慢性病に罹患していても加入することができ、癌など悪性腫瘍を給付対象としている医療保障プランである。相互宝などのP2P互助は、需要に応じた商品の個別化を進め、テーラーメイド型の商品を増やしている。

アリババ・グループによると、P2P互助の加入者の多くは小規模都市に集中し、保険商品に加入したことがないとしている。また、2025年までにP2P互助の加入者は4.5億人まで増加すると予測している。これは中国の総人口の3割に相当する規模である。

2020年2月、急速に拡大するP2P互助について、政府はその役割を公式に認め、国の医療保障体系を支える民間保障の1つとして位置づけた。今後、民間の健康保険とともに、更なる役割の発揮が期待されている。

■目次

1-慢性病でも加入できるP2P癌保障「慢性病互助プラン」とは?
2-2025年にP2P互助の加入者は4.5億人に拡大、人口の3割が加入の可能性も?
3-P2P互助のプレゼンス向上、医療保障体系の一翼を担う存在に
Xでシェアする Facebookでシェアする

保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

片山 ゆき (かたやま ゆき)

研究・専門分野
中国の社会保障制度・民間保険

経歴
  • 【職歴】
     2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
     (2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
     ・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
     (2019年度・2020年度・2023年度)
     ・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
     ・千葉大学客員准教授(2023年度~) 【加入団体等】
     日本保険学会、社会政策学会、他
     博士(学術)

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【アリババ、慢性病患者でも加入可能なP2P癌保障を発表【アジア・新興国】中国保険市場の最新動向(42)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

アリババ、慢性病患者でも加入可能なP2P癌保障を発表【アジア・新興国】中国保険市場の最新動向(42)のレポート Topへ