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新型コロナへの対処として、介護現場では何が必要か-感染拡大防止や人材支援などの備えを
保険研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 三原 岳
新型インフルエンザ対策等特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が全国で解除され、新型コロナウイルスは一応の収束を見たが、今後の感染再拡大が懸念されている。こうした中、検査体制の充実などと併せて、浮き彫りとなった今後の課題の一つが高齢者介護への対応であろう。具体的には、いくつかの地域では高齢者施設でクラスター(感染者集団)が発生したほか、在宅ケアの現場でも事業所が休止に追い込まれ、社会参加の機会を失った高齢者の状態悪化なども懸念されている。
一方、診療報酬が大幅に引き上げられた医療分野と比べると、介護分野に対する国・自治体の対応は後手に回ったと言わざるを得ず、今後の対応を考える上では、「なぜ後手に回ったのか」という背景の考察と、それへの対処も欠かせないと思われる。
本レポートでは、課題として高齢者介護への対応が残された点を考察した後、介護分野への対応が後手に回った原因として、「医療行政=都道府県「介護・福祉行政=市町村」の間で起きた連携不足などを挙げる。その上で、必要な方策として、感染拡大防止策や人材面の支援などを考察する。
■目次
1――はじめに~新型コロナへの対処として、介護現場では何が必要か~
2――課題として残された高齢者介護への対応
1|高齢者に偏った死亡者の比率
2|クラスターの発生状況
3|介護現場の負担
4|海外でも焦点となっている高齢者介護施設の感染症対策
3――国・自治体の高齢者介護に関する対策
1|国の主な対策
2|自治体の主な対策
4――高齢者介護に関する提案の状況
5――介護が後手に回った背景の考察
1|医療崩壊の阻止に優先順位が置かれた影響
2|業界団体の弱さの影響
3|都道府県と市町村の間で連携が不足していた可能性
6――サービスが提供される「場」に着目した感染リスクの類型化
1|3つの類型化
2|施設・住宅系
3|通い系
4|訪問系
5|感染拡大防止を巡る二律背反
7――考えられる必要な取組(1)~感染拡大防止~
8――考えられる必要な取組(2)~人材面の支援~
1|求められる広域的な人材調整
2|介護報酬の引き上げと限度額の特例
9――考えられる必要な取組(3)~クラスター発生時の対応~
10――おわりに
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