コラム
2020年04月30日

「岩合光昭の世界ネコ歩き」の紹介-NHKの番組から(その2)-

中村 亮一

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はじめに

NHKは大変面白いテレビ番組を数多く制作しているが、その中で私のお気に入りの1つがBS(衛星放送)で放映されている「駅ピアノ」というドキュメンタリー番組であるということを以前の研究員の眼で紹介した。

今回は、その第2弾として、「岩合光昭の世界ネコ歩き」について紹介したい。

「岩合光昭の世界ネコ歩き」とは

岩合光昭氏は、著名な動物写真家である。猫などの身近な動物から世界各地の野生動物まで様々な題材を取り上げている。日本人としてはその作品が初めて『ナショナルジオグラフィック』誌の表紙を2度も飾っている。その中で、岩合氏のプロフィールによれば、身近なネコを40年以上ライフワークとして撮り続けている、とのことであり、ネコに関する著書も数多い。

その岩合光昭氏が世界各地を訪れて、それぞれの地域におけるネコの生態(?)を動画で撮影したものを紹介している番組が「岩合光昭の世界ネコ歩き」である。

2012年に、NHK BSプレミアムで特別番組として放送されたものが、2013年からレギュラー化され、2019年からはNHK BS4Kでも放送されている。いわゆる、猫を題材としたドキュメンタリーであり、猫好きの人にはたまらない番組となっている。

番組の魅力

番組の魅力は、もちろん世界各地の個性溢れるネコの暮らしぶり(?)を紹介してくれることにある。「ネコ目線」での撮影が行われているとのことであり、本当に愛くるしいネコの表情を楽しむことができる。時にはその体の柔軟性と俊敏な運動能力を見せて、あっと言わせるような場面も見られる。我々が日本において日常見慣れている種類のネコも多いが、時にはその地域独特の種類のネコも見られて、中々面白い。

登場してくるネコは飼い猫が多く、ネコの飼い主も登場して、ネコと飼い主との触れ合いを通じて、いかに彼らが自らのネコを愛しているかを感じ取ることができる心温まる映像が流れてくる。

飼い猫でない場合も、名前が付けられて、地元の人々に本当に愛されている姿が映し出されている。

加えて、撮影場所は世界各地の著名な観光地や世界遺産の場所といったことが多く、動画を通じてこれらの地域の風景や人々の生活ぶりの一部を垣間見ることもできるので、その点でも楽しめる番組となっている。

なお、岩合氏によれば、「ネコは人間とともに世界に広まった。だからその土地のネコはその土地の人間に似る!」と言うことだそうだ。

番組内容

毎回の番組では、「花とネコ」とか「イヌとネコ」といったそれぞれのテーマが決められており、そうしたテーマに絡む映像がまずは中心となっている。ただし、必ずしもこれらのテーマに囚われずに、愛らしいネコの仕草や表情、さらには美しい風景を楽しむことができる。

時には、岩合光昭氏ご自身も映像に現れて、ネコと触れ合っている姿が映し出される。

なお、動画の中では岩合光昭氏ご自身の非常にソフトな語り口が印象的だが、一方で、いわゆる「ナレーター」は、塚本高史、山田孝之、相武紗季、宮崎あおいといった有名な俳優が務めており、通常のドラマ等でお眼にかかる場合とは異なるニュアンスでの語り振りに触れることもできる。

さらには、猫にまつわる知識の解説コーナーである「猫識」を含む形の15分の放送番組『岩合光昭の世界ネコ歩きmini』も不定期に放送されている。

番組に関連して

この番組に関連しては、DVD等も発売されており、またいくつかの写真集も発売されている。さらに、岩合光昭氏は、「ネコ歩き」に関しての写真展も時々開催している。加えて、映画も作成されている。機会があれば、一度ご覧に行かれると大変興味深く、何かの折に1つの話題にもなるのではないかと思われる。

「猫」といえば

ところで、番組の内容からは外れるが、私の住んでいる地域には、いろいろと猫に関するグッズ等が店内に飾られていて、猫好きの人には楽しめるカフェ&レストランがある。

このお店は、小麦等に含まれるグルテンを一切持ち込まず、 グルテンフリーの料理と商品を提供するカフェ&ショップで、VEGAN(ビーガン/動物性原料不使用)や、DAIRY FREE(乳製品不使用)、SOY FREE(大豆不使用)などのメニューも提供している。こうしたお店の特徴から、外国人のお客様も多く訪れている。

「猫」グッズという意味では、我が家では数多くの世界の名画における肖像画を「猫顔」に置き換えた本を所有していたが、引越を機に荷物整理をする必要もあって、この本をお店に寄贈させていただいた。お店の方のお話を聞くと、この本はお客様にそれなりに人気があるということで、家の中で埋もれているよりは有効に活用された形になって本当に良かったと思っている。

なお、ここまで猫の話をしてきて今さらということになるかもしれないが、私自身は戌年ということもあって、小さいころから、どちらかというと自由奔放で移り気な感じがする猫よりも、忠誠心が高く規律性を持った行動ができる印象を受ける犬が好きだった。ただし、年と共に猫の持つソフトなイメージが心地よく感じられるようになってきている。

(参考)ペットとしての猫
世界中で、猫はペットとして飼育されている。

特に米国では人気が高く7千万頭以上が飼育されているようだ。これに比べると日本は1千万頭程度のようで、人口当たりでみると米国の3分の1程度になっている。ただし、高齢化社会を迎える中で、ここ数年で犬の飼育数を上回ってきているようだ。

なお、猫は、ムハンマドによって愛されていたということもあり、イスラム圏においてもペットとして敬愛されている。

最後に

新型コロナウイルスの影響で最近は何となく憂鬱な雰囲気になってしまうが、このような時には犬や猫等のペットの存在が心を癒してくれると思われる。新型コロナウイルスは犬や猫にも感染するとの研究結果等も公表されて、必ずしも癒しの対象としてだけでは見られないような状況もあるのかもしれないが、いずれにしてもペットは家族の一員として大切な存在になっているケースが多い。

私自身は現在家でペットを飼っているわけではない。犬や猫等のペットを飼いたいという気持ちも大いにあるのだが、マンション住まいということもあり、仕事が現役の間は、中々自分でしっかりと面倒を見ることができないのではないかという不安もある。退職して、時間的余裕ができたらとも考えている。

その意味で、こうした番組を観ることで、世界各国のネコの愛らしい姿を見ることで、和やかな雰囲気を味わわせていただいている。特に、金曜日の夜に放送されていた番組をみると、1週間の疲れを癒してくれる感じもした。最近は、新型コロナウイルス関係の番組が多く、こうした番組ばかりを見ていると、精神的にも参ってしまうことにもなりかねない。そうしたこともあってか、NHKもこの時期に合わせて、4月から5月にかけて、このドキュメンタリー番組の過去の放送分を数多く再放送しているようだ。

皆さんも、猫嫌いでなければ、是非一度この番組をご覧になって、世界各地を訪れた気持ちになるとともに、心を癒される状態になられることをお勧めしたいと思っている。
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中村 亮一

研究・専門分野

(2020年04月30日「研究員の眼」)

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