2020年04月21日

数字で振り返る介護保険制度の20年-サービス利用、保険料の変遷などで浮き彫りになる光と影

保険研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 三原 岳

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■要旨

加齢による要介護リスクをカバーするための社会保険制度として、介護保険制度が発足して4月で20年を迎えた。既に(上)(下)2回の企画として、介護保険制度の理念、その後の変化などを探ったが、今回は介護保険制度の20年を数字で振り返る。

具体的には、高齢化率の進展や要介護認定者の増加、サービスの利用状況や提供体制の変遷に加えて、介護保険制度の財政規模や保険料、介護現場で働く人の数がどう増えたか考察した上で、制度創設時に期待されていた在宅サービスの充実が一定程度、図られた「光」の部分に焦点を当てる。その一方で、財政の逼迫と人手不足に伴って制度の持続可能性が問われており、こうした「影」の部分も明らかにする。

なお、統計の制約上、厳密に言えば「20年」とはならない点をご了承いただきたい。

■目次

1――はじめに~数字で振り返る介護保険制度の20年の「光」と「影」~
2――高齢化率の進展
3――要介護認定者の増加
4――サービス利用状況の変遷
  1|在宅サービスはどこまで伸びたか
  2|在宅サービスを中心としたサービスの種類別に見た予算の変遷
  3|在宅、地域密着、施設で区分した予算のシェアの変遷
5――サービス提供体制の変遷
  1|事業所数の変遷
  2|サービス提供者の開設者別内訳の変遷
6――財政、保険料の変遷
  1|財政規模の変遷
  2|過去の推計との比較
  1|財政規模の変遷
  2|過去の推計との比較
7――負担と給付を巡る関係の再考が必要~20年の「光」と「影」~
8――介護職員数の変遷
9――おわりに
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保険研究部   上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任

三原 岳 (みはら たかし)

研究・専門分野
医療・介護・福祉、政策過程論

経歴
  • プロフィール
    【職歴】
     1995年4月~ 時事通信社
     2011年4月~ 東京財団研究員
     2017年10月~ ニッセイ基礎研究所
     2023年7月から現職

    【加入団体等】
    ・社会政策学会
    ・日本財政学会
    ・日本地方財政学会
    ・自治体学会
    ・日本ケアマネジメント学会

    【講演等】
    ・経団連、経済同友会、日本商工会議所、財政制度等審議会、日本医師会、連合など多数
    ・藤田医科大学を中心とする厚生労働省の市町村人材育成プログラムの講師(2020年度~)

    【主な著書・寄稿など】
    ・『必携自治体職員ハンドブック』公職研(2021年5月、共著)
    ・『地域医療は再生するか』医薬経済社(2020年11月)
    ・『医薬経済』に『現場が望む社会保障制度』を連載中(毎月)
    ・「障害者政策の変容と差別解消法の意義」「合理的配慮の考え方と決定過程」日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク編『トピック別 聴覚障害学生支援ガイド』(2017年3月、共著)
    ・「介護報酬複雑化の過程と問題点」『社会政策』(通巻第20号、2015年7月)ほか多数

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【数字で振り返る介護保険制度の20年-サービス利用、保険料の変遷などで浮き彫りになる光と影】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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