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もし日本で感染爆発が起きたら、円相場はどう動く?
経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志
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- 新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴って、2月下旬以降、内外の株価は急落したが、ドル円レートは「リスク回避の円買い」と「有事のドル買い」が綱引きをする形で方向感の定まらない展開が続いてきた。
- 当面のドル円の方向性を考えるうえで、大きなポイントは2つあると考えている。一つは「ドル需給のひっ迫感だ」。世界経済の減速懸念は続き、世界的に企業や金融機関のドル需要も続くとみられるが、一方でFRBの大規模なドル供給も続くため、「民間のドル需要 vs FRBのドル供給」のバランスがドル需給のひっ迫感を左右することになる。
- そして、もう一つのポイントは日本での新型コロナの感染拡大だ。実現しないことを願うが、欧米のような爆発的な感染拡大が起きる可能性も排除はできない。この場合には円高圧力が強まる可能性が高い。リスクオフの円買いが入るうえ、リパトリ(本国への資金還流)観測が台頭する可能性があるためだ。近年では、東日本大震災の直後に円が当時の最高値を更新したが、主因はリパトリ観測であった。たとえ実際にリパトリが起きなくても、市場で観測が高まるだけで円高圧力が強まる。
- 今後については、ドル需要が続く可能性があるが、FRBの大量供給によってドル需給のひっ迫感が緩和され、ドル高圧力は抑制されるだろう。一方で、これまでのトレンドから見ると、今後も日本での新型コロナ感染拡大が懸念される。感染爆発とまではいかなくても、感染ペースが加速すればリスクオフの円買いが進みやすくなるうえ、リパトリ観測台頭に伴う円高圧力に波及する恐れがある。既に米長期金利が0.6%付近まで低下し、さらなる低下余地が乏しいことは円高の一定の抑制要因になるものの、一時的には再び105円を割り込む可能性がある。当面は円高に警戒が必要な時間帯が続きそうだ。
1.トピック:もし日本で感染爆発が起きたら、円相場はどう動く?
・ドル円の動向:乱高下の理由
・今後のポイント:ドル需給、日本での感染拡大
2.日銀金融政策(3月):コロナへの対応で追加緩和
・(日銀)追加緩和
・今後の予想
3.金融市場(3月)の振り返りと予測表
・10年国債利回り
・ドル円レート
・ユーロドルレート
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