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- 国内株は買われ、国内REITは売られる~2020年2月の投信動向~
コラム
2020年03月05日
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外国株式とバランス型に資金流入
外国株式は1,900億円の資金流入と1月の800億円の資金流入から大きく増加した。2月に新設された「GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ」がシリーズ合計で1,400億円に迫る資金流入があったことが大きかった。その他にも特定の外国株式ファンドは投資家の人気が引き続き高かった。実際に新設ファンドを含む上位6本(【図表2】赤太字)の外国株式ファンドに2,600億円の資金流入があり、外国株式全体の資金流入を上回った。
外国株式に次いで資金流入が大きかったバランス型ではあるが、2月は1,300億円の資金流入と1月の2,800億円の資金流入と比べると1,500億円減少した。1月は確定拠出年金専用のバランス型ファンドに1,100億円の資金流入があり、確定拠出年金からの資金によってバランス型の資金流入が膨らんでいる面があった。それが2月は確定拠出年金専用のバランス型ファンドの資金の動きがほぼなかったため、1月と比べると大きく資金流入が減少した。確定拠出年金の影響を除いても資金流入は減少していたが、それでも流入金額は1,000億円を超えており、引き続き人気は高かった。
外国株式に次いで資金流入が大きかったバランス型ではあるが、2月は1,300億円の資金流入と1月の2,800億円の資金流入と比べると1,500億円減少した。1月は確定拠出年金専用のバランス型ファンドに1,100億円の資金流入があり、確定拠出年金からの資金によってバランス型の資金流入が膨らんでいる面があった。それが2月は確定拠出年金専用のバランス型ファンドの資金の動きがほぼなかったため、1月と比べると大きく資金流入が減少した。確定拠出年金の影響を除いても資金流入は減少していたが、それでも流入金額は1,000億円を超えており、引き続き人気は高かった。
急落を受けて国内株は買われ、国内REITは売られる
2月下旬に新型肺炎の世界的な感染拡大が嫌気され、投資家のリスク回避姿勢が強まり、金融市場では世界的に株式などのリスク性資産が売られ、価格が総じて急落した。2月に資金流入が大きかった外国株式やバランス型などの資金動向からはその影響があまりみられなかったが、国内株式と国内REITは価格下落を受けて投資家が積極的に行動した形跡がみられた。
国内株式では、2月下旬まで資金流出が続いていたが月末にかけて資金流入に転じ、結果として流出金額は1月の1,000億円から2月は200億円弱に鈍化した。国内株式のアクティブ・ファンドからの資金流出が1月の1,100億円から2月に650億円に縮小し、インデックス・ファンドへの資金流入が1月の250億円から2月は450億円に増加した。
国内株式の資金の動きを日次でみると【図表3】、株価変動にあまり左右されずアクティブ・ファンド(黄棒)は2月に一貫して資金流出があったことが分かる。その一方でインデックス・ファンド(青棒)は、株価が急落した翌営業日である26日から連日100億円を超える大規模な資金流入があった。特に26日には400億円の資金流入と2019年以降で1日あたりでは最大であった。足元の急落でも、インデックス・ファンドを用いた逆張り投資は健在であったといえよう。
国内株式では、2月下旬まで資金流出が続いていたが月末にかけて資金流入に転じ、結果として流出金額は1月の1,000億円から2月は200億円弱に鈍化した。国内株式のアクティブ・ファンドからの資金流出が1月の1,100億円から2月に650億円に縮小し、インデックス・ファンドへの資金流入が1月の250億円から2月は450億円に増加した。
国内株式の資金の動きを日次でみると【図表3】、株価変動にあまり左右されずアクティブ・ファンド(黄棒)は2月に一貫して資金流出があったことが分かる。その一方でインデックス・ファンド(青棒)は、株価が急落した翌営業日である26日から連日100億円を超える大規模な資金流入があった。特に26日には400億円の資金流入と2019年以降で1日あたりでは最大であった。足元の急落でも、インデックス・ファンドを用いた逆張り投資は健在であったといえよう。
また、国内REITは国内株式(インデックス・ファンド)と逆の動きがみられた。国内REITは1月の200億円の資金流入から、2月は100億円の資金流出に転じた。国内REITからの資金流出は、国内REIT価格が急落した時に売られた昨年11月以来のことである。国内REITの資金の動きを日次でみると27日以降、国内REITから資金流出が続いていることが分かる【図表4】。これまでは国内REITは好調で含み益を抱えている投資家も多いと推察されるだけに、昨年11月1と同様に価格下落を受けて一部の投資家が売却に動いたのかもしれない。
国内株式や国内REITなどの国内資産中心のファンドの場合は約定までの時間が短いため、市場の変化に対応しようとする投資家が多かったのかもしれない。その一方で海外資産を含むファンドの場合は約定が早くても翌日であるため、市場の変化に迅速に対応することが難しい。そのため、2月のように大きく価格が変化する局面でも、静観する投資家が多かったのかもしれない。
国内株式や国内REITなどの国内資産中心のファンドの場合は約定までの時間が短いため、市場の変化に対応しようとする投資家が多かったのかもしれない。その一方で海外資産を含むファンドの場合は約定が早くても翌日であるため、市場の変化に迅速に対応することが難しい。そのため、2月のように大きく価格が変化する局面でも、静観する投資家が多かったのかもしれない。
1 詳しくは「投信の売却で国内REITの下げ幅拡大~2019年11月の投信動向~」を参照。
中国本土株ファンドが好調
(ご注意)当資料のデータは信頼ある情報源から入手、加工したものですが、その正確性と完全性を保証するものではありません。当資料の内容について、将来見解を変更することもあります。当資料は情報提供が目的であり、投資信託の勧誘するものではありません。
(2020年03月05日「研究員の眼」)
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03-3512-1785
経歴
- 【職歴】
2008年 大和総研入社
2009年 大和証券キャピタル・マーケッツ(現大和証券)
2012年 イボットソン・アソシエイツ・ジャパン
2014年 ニッセイ基礎研究所 金融研究部
2022年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・投資信託協会「すべての人に世界の成長を届ける研究会」 客員研究員(2020・2021年度)
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