- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 鉱工業生産19年8月-7-9月期は増税前にもかかわらず減産の見込み。景気動向指数の基調判断は再び「悪化」へ
2019年09月30日
鉱工業生産19年8月-7-9月期は増税前にもかかわらず減産の見込み。景気動向指数の基調判断は再び「悪化」へ
03-3512-1836
このレポートの関連カテゴリ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.8月の生産は事前予想以上の落ち込み
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は19年4-6月期の前期比2.5%の後、7月が前月比0.2%、8月が同2.4%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は19年4-6月期の前期比0.6%の後、7月が前月比3.2%、8月が同▲2.3%となった。7、8月の平均を4-6月期と比較すると、資本財(除く輸送機械)は▲0.5%、建設財は▲0.2%低い。19年4-6月期のGDP統計の設備投資は前期比0.2%の低い伸びにとどまった。国内需要の底堅さを背景に非製造業は増加を続けているが、輸出の減少に伴う企業収益の悪化を受けて製造業は減少傾向が鮮明となっている。7-9月期の設備投資は一部で駆け込み需要が発生することもあり、前期比プラスとなることを予想しているが、前回増税前(2014年1-3月期:前期比2.4%)の伸びを大きく下回る可能性が高い。設備投資の牽引力は徐々に弱まっている。消費財出荷指数は19年4-6月期の前期比0.1%の後、7月が前月比1.5%、8月が同▲0.2%となった。消費財出荷指数の7、8月の平均は4-6月期の水準よりも▲1.1%低い。
19年4-6月期のGDP統計の民間消費は前期比0.6%と高めの伸びとなった。消費関連指標を確認すると、7月は長梅雨、低温の影響などから弱いものが多かったが、8月は猛暑効果もあり総じて強めの結果となった。消費増税直前の9月には日用品を中心に駆け込み需要が発生するため、7-9月期の民間消費は前期比プラスを確保することが見込まれる。ただし、軽減税率の導入、キャッシュレス決済に対するポイント還元などによって駆け込み需要の規模が抑えられることに加え、駆け込み需要を除いた消費の基調が弱いことから、前回増税前(14年1-3月期:前期比2.0%)を大きく下回る伸びにとどまるだろう。
2.7-9月期は消費増税前でも減産へ
製造工業生産予測指数は、19年9月が前月比1.9%、10月が同▲0.5%となった。生産計画の修正状況を示す実現率(8月)、予測修正率(9月)はそれぞれ▲3.3%、0.1%であった。
19年8月の生産指数を9月の予測指数で先延ばしすると、19年7-9月期は前期比▲0.4%となる。実際の生産が計画を下回る傾向が続いていることを踏まえれば、7-9月期の生産は前期比でマイナスとなる可能性が高くなった。消費税率引き上げ直前の9月には一定の駆け込み需要が発生することが見込まれるが、過去の増税前とは異なり在庫水準が高いため、大幅な増産がなくても対応可能だろう。
なお、足もとの生産が消費増税前にもかかわらず低調に推移しているのは、駆け込み需要が小さいことに加え、もともとの生産の基調が弱いためである。消費増税後は税率引き上げに伴う実質所得の低下によって個人消費が一定程度落ち込むことは避けられず、生産の基調はさらに弱まる可能性が高い。駆け込み需要の反動減は小さくなるため、前回の増税後のような大幅減産(14年4-6月期の前期比▲2.9%)は避けられるが、生産は消費増税後も低迷が続くことが予想される。
19年8月の生産指数を9月の予測指数で先延ばしすると、19年7-9月期は前期比▲0.4%となる。実際の生産が計画を下回る傾向が続いていることを踏まえれば、7-9月期の生産は前期比でマイナスとなる可能性が高くなった。消費税率引き上げ直前の9月には一定の駆け込み需要が発生することが見込まれるが、過去の増税前とは異なり在庫水準が高いため、大幅な増産がなくても対応可能だろう。
なお、足もとの生産が消費増税前にもかかわらず低調に推移しているのは、駆け込み需要が小さいことに加え、もともとの生産の基調が弱いためである。消費増税後は税率引き上げに伴う実質所得の低下によって個人消費が一定程度落ち込むことは避けられず、生産の基調はさらに弱まる可能性が高い。駆け込み需要の反動減は小さくなるため、前回の増税後のような大幅減産(14年4-6月期の前期比▲2.9%)は避けられるが、生産は消費増税後も低迷が続くことが予想される。
3.景気動向指数の基調判断は再び「悪化」へ
内閣府の「景気動向指数」では、CI一致指数の基調判断が19年5月に「悪化」から「下げ止まり」に上方修正され、7月まで同じ判断で据え置かれている。
本日までに一致指数を構成する9系列のうち6系列の8月分が公表された。このうち、耐久消費財出荷指数、投資財出荷指数(除く輸送機械)、商業販売額(小売業)の3系列が前月から改善、生産指数、鉱工業用生産財出荷指数、商業販売額(卸売業)の3系列が前月から悪化した。有効求人倍率の公表は10/1だが、8月のCI一致指数は前月差マイナスとなることが予想される(8月の有効求人倍率は前月から▲0.01ポイント低下の1.58倍を想定)。この結果、(1)3ヵ月以上連続して、3ヵ月後方移動平均が下降、(2)当月の前月差の符号がマイナス、という条件を満たすことになるため、景気動向指数の基調判断は再び「悪化」へと下方修正されることが予想される。
本日までに一致指数を構成する9系列のうち6系列の8月分が公表された。このうち、耐久消費財出荷指数、投資財出荷指数(除く輸送機械)、商業販売額(小売業)の3系列が前月から改善、生産指数、鉱工業用生産財出荷指数、商業販売額(卸売業)の3系列が前月から悪化した。有効求人倍率の公表は10/1だが、8月のCI一致指数は前月差マイナスとなることが予想される(8月の有効求人倍率は前月から▲0.01ポイント低下の1.58倍を想定)。この結果、(1)3ヵ月以上連続して、3ヵ月後方移動平均が下降、(2)当月の前月差の符号がマイナス、という条件を満たすことになるため、景気動向指数の基調判断は再び「悪化」へと下方修正されることが予想される。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2019年09月30日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1836
新着記事
-
2026年01月20日
IMF世界経済見通し-またも世界成長率見通しを上方修正 -
2026年01月20日
トランプ2.0始動から1年-米欧関係の現在地と日本への示唆 -
2026年01月20日
国内外の社会変化は、サステナ行動にどう表れたのか-「できそう」という感覚が分けた、20代のサステナ行動の差(1) -
2026年01月20日
保険金受取人と税金-個人保険契約における取扱い -
2026年01月20日
今週のレポート・コラムまとめ【1/13-1/19発行分】
お知らせ
-
2025年12月16日
News Release
令和7年度 住宅ストック維持・向上促進事業「良質住宅ストック形成のための市場環境整備促進事業」に関するシンポジウムの開催
-
2025年12月01日
News Release
-
2025年12月01日
News Release
【鉱工業生産19年8月-7-9月期は増税前にもかかわらず減産の見込み。景気動向指数の基調判断は再び「悪化」へ】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
鉱工業生産19年8月-7-9月期は増税前にもかかわらず減産の見込み。景気動向指数の基調判断は再び「悪化」へのレポート Topへ











