2019年06月05日

高齢者を狙う振り込め詐欺-受け子についての最高裁判所の判断

保険研究部 取締役 研究理事・ジェロントロジー推進室兼任   松澤 登

このレポートの関連カテゴリ

少子高齢化 高齢化問題(全般) などの記事に関心のあるあなたへ

btn-mag-b.png
基礎研 Report Head Lineではそんなあなたにおすすめのメルマガ配信中!
各種レポート配信をメールでお知らせするので読み逃しを防ぎます!

ご登録はこちら

twitter Facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 Pocketで後で読む

文字サイズ

■要旨

高齢者を狙った振り込め詐欺などの「特殊詐欺」は、警察や金融機関の懸命の努力にもかかわらず、手口が巧妙化するなどして、その発生件数や被害総額は高水準で推移している。昨今、振り込め詐欺に関しては詐欺グループに属さない「受け子」が金銭の受け取りに利用されることが増加してきている。平成30年12月に下された二つの最高裁判決は、荷物は受け取ったが中身は知らず、詐欺であることは知らなかったと主張した「受け子」に対して、詐欺罪の共同正犯として実刑を科した。

また、警察と、詐欺だと見破った被害者とが協力として金銭でない物品を「受け子」に宛てて宅配便で送り、受け取った「受け子」を逮捕するいわゆる「だまされたふり作戦」においても、平成29年12月最高裁判決は「受け子」を詐欺未遂の共同正犯として実刑を科した。

このように司法は「受け子」に厳しい態度を取ってきているが、法的安定性確保の観点から「受け子」のような行為を直接に罰する立法を行うことを検討することが考えられる。

詐欺被害を防止するために親子間でのコミュニケーションを密接に行うことに加え、アルバイト感覚で「受け子」になりかねない若年者への警鐘・周知徹底を行うことが必要である。

■目次

1――はじめに
  1|振り込め詐欺とは
  2|振り込め詐欺における受け子とは
2――受け子をどのような罪に問えるのか
  1|受け子を詐欺罪に問うための二つの問題点
  2|平成30年の二つの最高裁判決
3――だまされたふり作戦における受け子の責任(平成29年最高裁決定)
4――考察
5――おわりに
twitter Facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 Pocketで後で読む

このレポートの関連カテゴリ

保険研究部   取締役 研究理事・ジェロントロジー推進室兼任

松澤 登 (まつざわ のぼる)

研究・専門分野
一般法務、企業法務、保険法・保険業法

アクセスランキング

レポート紹介

【高齢者を狙う振り込め詐欺-受け子についての最高裁判所の判断】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

高齢者を狙う振り込め詐欺-受け子についての最高裁判所の判断のレポート Topへ