- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経営・ビジネス >
- 企業経営・産業政策 >
- 超高齢社会の深化で必要性高まる多彩なハイテク福祉機器-「H.C.R.2018」の開発最前線に見るアートやICT、IoTの活用-
超高齢社会の深化で必要性高まる多彩なハイテク福祉機器-「H.C.R.2018」の開発最前線に見るアートやICT、IoTの活用-

青山 正治
このレポートの関連カテゴリ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
2つ目のカテゴリーは「既存コンセプトの機器の高機能化や新機能を付加した開発製品群」である。基本的に福祉機器は様々な状態像に合わせて機器を提供することが理想であり、そのためには様々な微調整の機能か、又は一機種でなく複数機種で多様な状態・状況への対応が必要となる。
さて本節では4種の機器の概要が解説されているが、課題解決に向けた開発者の色々な努力がうかがい知れる。例えば、ユーザビリティ上の細かな工夫を加えたり、新たな技術や方式の組込みで新しい機能を創造したり、また、コンパクトな機器開発で利便性を大幅に向上させたりしているのである。
これらの様々な開発機器の展示コーナーが「福祉機器開発最前線」と銘打たれている点も、頷けるのである。
3つ目のカテゴリーは「ICTやIoTを活用して日常生活を支援する機器群」として3つの機器(一部はソフト・システム)を選択した。たまたまであるが、それらはコミュニケーションを支援する普及中の、又は開発中の機器となった。話すことが困難であったり、視覚に支障のある人の移動を支援する機器群である。白くて細長く、先端が赤く塗装された白杖を持ち歩いている視覚障がいの人が、時々、進む方向に困っている場面を見かけることがあるが、現在、様々な視覚障害用情報機器の開発が進んでおり、必要とする情報を音声や触覚(振動等)によってサポートできる時代が近づいている。
この分野では、さらにIoTやクラウド、AI、また準天頂衛星による位置情報の高精度化、ロボットの活用など様々な技術の活用が考えられよう。
「国際福祉機器展」の特設コーナー「福祉機器開発最前線」には開発中や上市段階の様々な福祉や介護機器類が約10機器ほど展示され、各開発者や関係者による解説が行われ、隣接するプレゼンテーション会場で動画での解説や実際の機器のデモンストレーションが実施されていた。毎年、この「福祉機器開発最前線」を取材し思うことは、やはり福祉機器は、その実物を見ながら、開発担当者等からその機能や価値について解説をしてもらうことが重要ということである。
様々な福祉車両から改良・工夫が施された住宅設備機器、さらに多種多様な福祉用具、障がい者向けの装具・補装具、また自助具やユニバーサルデザインの箸やスプーンが広い会場に2万点以上展示されるが、近年では、ICTやIoTといった先端技術の活用が実感されるようになってきていると思う。
(2018年12月18日「基礎研レポート」)
このレポートの関連カテゴリ
青山 正治
青山 正治のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2020/05/21 | 赤ちゃんの明るい笑い声の力-本物でもヒーリング・ロボでもパワーは同じ- | 青山 正治 | 研究員の眼 |
2020/05/18 | サービスロボットやICTの新たな利活用分野-防疫対策でのICTやロボット技術活用の可能性- | 青山 正治 | 研究員の眼 |
2019/09/11 | 介護ロボットの導入・活用への着実な取組-東京都の「次世代介護機器の活用支援事業」への取組 | 青山 正治 | 研究員の眼 |
2019/07/11 | 新しい放送メディアの開発と超高齢社会での活用-4K・8Kの普及やパブリックビューイングの展開を期待 | 青山 正治 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年05月02日
金利がある世界での資本コスト -
2025年05月02日
保険型投資商品等の利回りは、良好だったが(~2023 欧州)-4年通算ではインフレ率より低い。(EIOPAの報告書の紹介) -
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【超高齢社会の深化で必要性高まる多彩なハイテク福祉機器-「H.C.R.2018」の開発最前線に見るアートやICT、IoTの活用-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
超高齢社会の深化で必要性高まる多彩なハイテク福祉機器-「H.C.R.2018」の開発最前線に見るアートやICT、IoTの活用-のレポート Topへ