- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 不動産 >
- 不動産市場・不動産市況 >
- リーマン・ショックから10年。その後の不動産収益率を振り返る~不動産の生み出すインカム収益がJ-REITの本源的価値~
2018年11月30日
■要旨
■目次
1――東証REIT指数(配当込み)は史上最高値を更新
2――現在の市場環境を前回ミニバブル期と比較する
3――前回高値圏でJ-REITが取得した不動産、その後の収益率を振り返る
- リーマン・ショックから今年9月で10年が経過した。この間、東証REIT指数(配当込み)は一時70%近く下落したが現在は最高値を更新している。
- 現在の市場環境について、前回ミニバブル期と比較すると、以下の特徴がある。
- オフィス空室率は全国で大幅な改善が見られる一方で、オフィス賃料の回復は道半ばである。東京都心5区の募集賃料(18/10)はボトムから27%上昇したものの前回高値に対して10%程度下回っている。
- 不動産の期待利回りは全てのアセットタイプで低下している。特に、「物流施設」と「ホテル」はこれまでにない新たな実需と不動産としての認知度向上が利回りを押し下げている。
- 不動産価格が高値圏にあった時期に取得した不動産のその後の収益率は、キャピタル収益率が▲9%(年平均▲1.0%)、インカム収益率(NOI利回り)が年平均4.1%となった。リーマン・ショック後の厳しい環境下においても、保有不動産が生み出すインカム収益がキャピタル収益のマイナスを十分に補うことができている。
- こうした賃貸借契約に基づいた賃料収入を源泉とする不動産のインカム収益はJ-REITの本源的価値そのものである。
- J-REIT各社は、自らのポートフォリオに照らして許容される借入比率(LTV)の管理、並びに国内不動産市場が健全であることへの貢献が期待されている。
■目次
1――東証REIT指数(配当込み)は史上最高値を更新
2――現在の市場環境を前回ミニバブル期と比較する
3――前回高値圏でJ-REITが取得した不動産、その後の収益率を振り返る
(2018年11月30日「基礎研レポート」)
このレポートの関連カテゴリ
![](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/69_ext_01_0.jpg?v=1469584417)
03-3512-1858
経歴
- 【職歴】
1993年 日本生命保険相互会社入社
2005年 ニッセイ基礎研究所
2019年4月より現職
【加入団体等】
・一般社団法人不動産証券化協会認定マスター
・日本証券アナリスト協会検定会員
岩佐 浩人のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/07/04 | 今年上期のJリート市場は▲4.6%下落。金利動向を睨んで投資家は様子見姿勢を継続~金融政策正常化に伴う金利上昇の影響は第2幕へ | 岩佐 浩人 | 研究員の眼 |
2024/06/07 | 東京オフィス市場は調整局面を脱する。ホテル市場は一段と改善-不動産クォータリー・レビュー2024年第1四半期 | 岩佐 浩人 | 基礎研マンスリー |
2024/05/10 | 東京オフィス市場は調整局面を脱する。ホテル市場は一段と改善-不動産クォータリー・レビュー2024年第1四半期 | 岩佐 浩人 | 不動産投資レポート |
2024/05/09 | Jリート市場の分配金は今後5年間で5%減少の見通し-シナリオ別の分配金レンジは「▲18%~+7%」となる見通し | 岩佐 浩人 | 基礎研マンスリー |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年07月26日
職場における温度、匂い、音等は、どういう人がシンドイと思っているのか -
2024年07月26日
米GDP(24年4-6月期)-前期比年率+2.8%と前期から大幅上昇、市場予想の+2.0%も大幅に上回る -
2024年07月26日
お金の流れでみる日本経済 -
2024年07月25日
消えた580兆円~住宅投資をしても残高の増加は限定的~日本の住宅投資はなぜ「資産化」しないのか~ -
2024年07月24日
中国経済の現状と注目点-好調は持続せず、不動産不況と貿易摩擦で弱り目に祟り目の中国経済
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【リーマン・ショックから10年。その後の不動産収益率を振り返る~不動産の生み出すインカム収益がJ-REITの本源的価値~】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
リーマン・ショックから10年。その後の不動産収益率を振り返る~不動産の生み出すインカム収益がJ-REITの本源的価値~のレポート Topへ