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韓国でも児童手当がスタート―制度の定着のためにはまず財源の確保を―

生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中
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- 韓国政府は少子化の問題を解決するために、2006年から「セロマジプラン」という少子高齢化対策を実施し、10年間にわたり、莫大な予算を投入したものの、2006年に1.12であった合計特殊出生率は2017年にはむしろ1.05で低下した。
- 文在寅政府(以下、韓国政府)は、低い出生率を改善するために、2017年8月に親の所得と関係なく2018年7月から0~5歳のすべての児童を対象に月10万ウォンの児童手当を支給するという計画 を発表し、同年 9月28日に「児童手当法案」が国会に提出された。
- 今年の9月から所得階層上位10%世帯を除いた子育て世帯に児童手当が支給される。
- 韓国政府の少子化対策は、出産奨励金、保育費、育児費の支援、教育インフラの構築など主に結婚した世帯に対する所得支援政策に偏っているような気がする。
- 従って、今後は未婚率や晩婚率を改善する対策により力を入れるべきであり、何よりも雇用の安定性を高める必要がある。また、長期的に多様な対策を実施するためには安定的な財源が欠かせないことを考慮し、安定的な財源を確保するための早急な対策を行わなければならない。
■目次
1――はじめに
2――2018年9月から児童手当がスタート
3――日本の先例から学ぶことは
4――結びに代えて
(2018年08月27日「基礎研レター」)

生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任
金 明中 (きむ みょんじゅん)
研究・専門分野
高齢者雇用、不安定労働、働き方改革、貧困・格差、日韓社会政策比較、日韓経済比較、人的資源管理、基礎統計
03-3512-1825
- プロフィール
【職歴】
独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月から現職
・2011年~ 日本女子大学非常勤講師
・2015年~ 日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員
・2021年~ 横浜市立大学非常勤講師
・2021年~ 専修大学非常勤講師
・2021年~ 日本大学非常勤講師
・2022年~ 亜細亜大学都市創造学部特任准教授
・2022年~ 慶應義塾大学非常勤講師
・2024年~ 関東学院大学非常勤講師
・2019年 労働政策研究会議準備委員会準備委員
東アジア経済経営学会理事
・2021年 第36回韓日経済経営国際学術大会準備委員会準備委員
【加入団体等】
・日本経済学会
・日本労務学会
・社会政策学会
・日本労使関係研究協会
・東アジア経済経営学会
・現代韓国朝鮮学会
・韓国人事管理学会
・博士(慶應義塾大学、商学)
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