2013年10月22日

韓国政府が養育手当を拡大! ―韓国版児童手当を拡大した背景や出生率改善への効果は?―

生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中

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■要旨

  • 韓国では、今年の3月から養育手当制度が改正・実施されている。この制度改正により、0~5歳の子どもを育てるすべての世帯に、保育料や養育手当が支給されることになった。
  • 養育手当の給付額は、最低10万ウォン(9,220円)から最高39.4万ウォン(36,327円)で、子どもの年齢や施設の利用有無により差等支給される。
  • 韓国政府が養育手当を拡大した目的は、子育て世帯の経済的負担を減らすことにより、急速なスピードで進んでいる少子化を抑制するためである。
  • 養育手当が拡大されてから7ヶ月が過ぎた現在、すでに予算不足により養育手当の支給が中断される危険性が高い自治体も現れている。
  • 韓国政府は、養育手当に対する自治体の負担を軽減する目的で、養育手当に対する政府負担分を拡大させる「乳・幼児保育法」の改正案 を国会に提出しているが、まだ成立していない状況である。
  • 今後、韓国の養育手当の拡大政策が、少子化に悩む韓国の出生率改善にどのような影響を与えるかその動向が注目されるところである。

(2013年10月22日「基礎研レター」)

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生活研究部   上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任

金 明中 (きむ みょんじゅん)

研究・専門分野
高齢者雇用、不安定労働、働き方改革、貧困・格差、日韓社会政策比較、日韓経済比較、人的資源管理、基礎統計

経歴
  • プロフィール
    【職歴】
    独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月から現職

    ・2011年~ 日本女子大学非常勤講師
    ・2015年~ 日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員
    ・2021年~ 横浜市立大学非常勤講師
    ・2021年~ 専修大学非常勤講師
    ・2021年~ 日本大学非常勤講師
    ・2022年~ 亜細亜大学都市創造学部特任准教授
    ・2022年~ 慶應義塾大学非常勤講師
    ・2024年~ 関東学院大学非常勤講師

    ・2019年  労働政策研究会議準備委員会準備委員
           東アジア経済経営学会理事
    ・2021年  第36回韓日経済経営国際学術大会準備委員会準備委員

    【加入団体等】
    ・日本経済学会
    ・日本労務学会
    ・社会政策学会
    ・日本労使関係研究協会
    ・東アジア経済経営学会
    ・現代韓国朝鮮学会
    ・韓国人事管理学会
    ・博士(慶應義塾大学、商学)

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