- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 社会保障制度 >
- アジアの社会保障制度 >
- 韓国、国民年金の第4回財政再計算の結果を発表―財政安定化政策のみならず、雇用安定化政策の同時実施を―
韓国、国民年金の第4回財政再計算の結果を発表―財政安定化政策のみならず、雇用安定化政策の同時実施を―
生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中
このレポートの関連カテゴリ
- 今年は韓国が公的年金(以下、国民年金)を導入してから30年を迎える年である。
- 国民年金制度発展委員会(以下、委員会)が8月17日に発表した第4次財政推計によると、2018年5月末現在634兆ウォンである積立金は、2041年には1778兆ウォンでピークを迎えるものの、それ以降は高齢化と年金給付に対する支出の増加により減少し続け、2057年には底をつくことになる。
- 国民年金の財政計算のために、民間の専門家で構成された委員会は、第4次財政推計の結果に基づいて、2088年まで年金給付ができるように、毎年1年分の積立金を維持することを目標にし、「老後所得保障強化対策」と「国民年金の財政安定化対策」という二つの対策案を提示した。
- 「老後所得保障強化対策案」は、保険料率を引き上げて、2018年現在45%である所得代替率を維持することである。委員会は、このためには現在9%である保険料率を来年から11%に引き上げる必要があると提案している。
- そして、「国民年金の財政安定化対策案」では、所得代替率を既存の計画通り、2028年までに40%までに引き下げると共に、保険料率を段階的に引き上げて、2028年には13.5%にすることを提案している。2029年以降は保険料率を引き上げずに年金の支給開始年齢を段階的に引き上げて(2047年には67歳まで)支出を調整することを考えている。
- 年金の持続可能性を高めるために、保険料率や支給開始年齢を引き上げることも一つの方法ではあるものの、所得の空白期間をなくす等現在の生活が維持できるように雇用を保障する対策と、保険料支払いの負担を軽減させる安定的な仕事の普及に向けた雇用政策が同時に行われる必要がある。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1825
- プロフィール
【職歴】
独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月から現職
・2011年~ 日本女子大学非常勤講師
・2015年~ 日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員
・2021年~ 横浜市立大学非常勤講師
・2021年~ 専修大学非常勤講師
・2021年~ 日本大学非常勤講師
・2019年 労働政策研究会議準備委員会準備委員
東アジア経済経営学会理事
・2022年~ 亜細亜大学都市創造学部特任准教授
・2021年 第36回韓日経済経営国際学術大会準備委員会準備委員
【加入団体等】
・日本経済学会
・日本労務学会
・社会政策学会
・日本労使関係研究協会
・東アジア経済経営学会
・現代韓国朝鮮学会
・韓国人事管理学会
・博士(慶應義塾大学、商学)
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年03月29日
急速に導入が進むインドの再生可能エネルギー~2030年の国際公約達成を狙える位置に -
2024年03月29日
身体活動基準2023~座位行動時間、筋トレに関する指針が追加 -
2024年03月29日
鉱工業生産24年2月-不正問題の影響で自動車生産が一段と落ち込む -
2024年03月29日
管理職志向が強いのはどんな女性か~「中高年女性会社員の管理職志向とキャリア意識等に関する調査~『一般職』に焦点をあてて~」より(6) -
2024年03月29日
雇用関連統計24年2月-就業者数が大幅に増加する一方、新規求人数は減少が続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
-
2023年04月27日
News Release
【韓国、国民年金の第4回財政再計算の結果を発表―財政安定化政策のみならず、雇用安定化政策の同時実施を―】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
韓国、国民年金の第4回財政再計算の結果を発表―財政安定化政策のみならず、雇用安定化政策の同時実施を―のレポート Topへ