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- 2018・2019年度経済見通し(18年8月)
2018年08月13日
(公的固定資本形成は横ばい圏の推移が続く)
公的固定資本形成は、2016年度第2次補正予算の執行本格化から2017年4-6月期に前期比5.4%の高い伸びとなったが、その効果が一巡した後は1年にわたって減少が続いている。
公的固定資本形成は、2016年度第2次補正予算の執行本格化から2017年4-6月期に前期比5.4%の高い伸びとなったが、その効果が一巡した後は1年にわたって減少が続いている。
安倍政権発足後は毎年、年度途中に補正予算が編成される一方、当初予算は抑制気味となっており、補正予算がなければ年度末にかけて公共事業が落ち込んでしまう構造になっている。2017年度補正予算では、災害復旧等・防災・減災事業を中心に公共事業関係費が約1兆円積み増されたが、2016年度補正予算の1.6兆円に比べて規模が小さいため、公的固定資本形成の減少に歯止めをかけるまでには至っていない。
先行きについては、西日本豪雨などに対する災害復旧費が例年以上に公共事業を押し上げることが見込まれる一方、2018年度当初予算の公共事業関係費は前年比+0.0%の横ばいとなっていることもあり、景気の押し上げ効果は限定的にとどまるだろう。公的固定資本形成は2018年度が前年比▲0.4%、2019年度が同1.1%と予想する。
先行きについては、西日本豪雨などに対する災害復旧費が例年以上に公共事業を押し上げることが見込まれる一方、2018年度当初予算の公共事業関係費は前年比+0.0%の横ばいとなっていることもあり、景気の押し上げ効果は限定的にとどまるだろう。公的固定資本形成は2018年度が前年比▲0.4%、2019年度が同1.1%と予想する。
(輸出は世界経済の成長率と整合的な伸びに収束)
GDP統計の財貨・サービスの輸出は2018年1-3月期が前期比0.6%、4-6月期が同0.2%と低い伸びが続いたが、サービス輸出の減少によるところが大きく、財貨の輸出は1-3月期が前期比1.2%、4-6月期が同1.1%と2017年後半に比べれば伸びは鈍化しているものの、底堅さを維持している。
先行きの輸出は、米中貿易摩擦の激化というリスク要因を抱えながらも、海外経済の回復を背景に増加傾向が続くだろう。ただし、前述したようにグローバルな製造業の改善ペースが鈍化していることもあり、3%台後半の世界経済の成長率と整合的な伸びに収束していくことが見込まれる。財貨・サービスの輸出は2017年度の前年比6.3%から、2018年度が同3.7%、2019年度が同3.3%と伸びが低下すると予想する。
一方、国内需要の減速に伴い財貨・サービス輸入の伸びは、2017年度の前年比4.1%から2018年度が同3.0%、2019年度が同2.0%と鈍化するため、外需寄与度は2018年度が前年比0.1%、2019年度が同0.2%とプラスを維持するだろう。
GDP統計の財貨・サービスの輸出は2018年1-3月期が前期比0.6%、4-6月期が同0.2%と低い伸びが続いたが、サービス輸出の減少によるところが大きく、財貨の輸出は1-3月期が前期比1.2%、4-6月期が同1.1%と2017年後半に比べれば伸びは鈍化しているものの、底堅さを維持している。
先行きの輸出は、米中貿易摩擦の激化というリスク要因を抱えながらも、海外経済の回復を背景に増加傾向が続くだろう。ただし、前述したようにグローバルな製造業の改善ペースが鈍化していることもあり、3%台後半の世界経済の成長率と整合的な伸びに収束していくことが見込まれる。財貨・サービスの輸出は2017年度の前年比6.3%から、2018年度が同3.7%、2019年度が同3.3%と伸びが低下すると予想する。
一方、国内需要の減速に伴い財貨・サービス輸入の伸びは、2017年度の前年比4.1%から2018年度が同3.0%、2019年度が同2.0%と鈍化するため、外需寄与度は2018年度が前年比0.1%、2019年度が同0.2%とプラスを維持するだろう。
(物価の見通し)
消費者物価(生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は、2018年2月に前年比1.0%と3年6か月ぶりに1%(消費税の影響を除くベース)に達したが、エネルギー価格の上昇率鈍化などからその後はゼロ%台後半の推移が続いている。日銀が基調的な物価変動を把握するために重視している「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」(いわゆるコアコアCPI)は2018年3月の前年比0.5%をピークに6月には同0.2%まで上昇率が低下している。
先行きについては、景気回復に伴う需給バランスの改善が続く中、原油価格上昇の影響が遅れて反映される電気代、ガス代を中心にエネルギー価格の上昇率が高まること、外食や運送料など人手不足に起因したサービス価格の値上げが進むことなどから、コアCPI上昇率は2018年秋頃に1%に達することが予想される。
消費者物価(生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は、2018年2月に前年比1.0%と3年6か月ぶりに1%(消費税の影響を除くベース)に達したが、エネルギー価格の上昇率鈍化などからその後はゼロ%台後半の推移が続いている。日銀が基調的な物価変動を把握するために重視している「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」(いわゆるコアコアCPI)は2018年3月の前年比0.5%をピークに6月には同0.2%まで上昇率が低下している。
先行きについては、景気回復に伴う需給バランスの改善が続く中、原油価格上昇の影響が遅れて反映される電気代、ガス代を中心にエネルギー価格の上昇率が高まること、外食や運送料など人手不足に起因したサービス価格の値上げが進むことなどから、コアCPI上昇率は2018年秋頃に1%に達することが予想される。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2018年08月13日「Weekly エコノミスト・レター」)
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