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- 消費者物価(全国18年6月)-コアコアCPIは3ヵ月連続で上昇率が鈍化
2018年07月20日
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1.コアCPI上昇率は0.1ポイント拡大
コアCPIの内訳をみると、電気代(5月:前年比3.3%→6月:同3.1%)、ガス代(5月:前年比2.4%→6月:同2.5%)、の上昇幅は前月とほぼ変わらなかったが、灯油(5月:前年比14.3%→6月:同20.5%)、ガソリン(5月:前年比10.5%→6月:同16.1%)の上昇幅が大きく拡大したため、エネルギー価格の上昇率は5月の前年比5.6%から同7.3%へと拡大した。
2.上昇品目数が減少
消費者物価指数の調査対象523品目(生鮮食品を除く)を、前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、6月の上昇品目数273品目(5月は281品目)、下落品目数は183品目(5月は178品目)となり、上昇品目数が前月から減少した。上昇品目数減少の主因は、改正酒税法の施行に伴う値上げの影響が一巡し、ビール、発泡酒などの酒類が軒並み上昇から下落に転じたことである。上昇品目数の割合は52.2%(5月は53.7%)、下落品目数の割合は35.0%(5月は34.0%)、「上昇品目割合」-「下落品目割合」は17.2%(5月は19.7%)であった。上昇品目数の割合は16年後半以降、50%台の推移が続いている。この間、コアCPI上昇率はマイナスから1%まで変動したが、そのほとんどがエネルギー価格の変動によるもので、物価の基調は長期にわたってあまり変わっていない。
3.コアコアCPIは3ヵ月連続で上昇率が鈍化
6月のコアCPIは4ヵ月ぶりに伸びを高めたが、その主因はエネルギー価格の上昇率が拡大したことである。日銀が基調的な物価変動を把握するために重視している「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」(コアコアCPI)は、先月公表された6月の東京都区部では前年比0.2%から同0.4%へと伸びを高めたが、全国は逆に前年比0.2%(5月:同0.2%)と3ヵ月連続で伸びが鈍化した。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2018年07月20日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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