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インターネット通販市場の成長と物流施設利用の方向性(1)~インターネット通販市場の成長可能性
金融研究部 主任研究員 吉田 資
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1――はじめに
本稿では2回に分けて、インターネット通販市場の成長が物流施設利用に与える影響について考察する。第1回は、インターネット通販市場の成長可能性、等について概観する。そして、第2回では、第1回で概観した通販市場の状況を踏まえて、物流施設利用の方向性について考察する。
2 電子書籍、有料音楽・動画配信、オンラインゲーム、等。
3 すべての商取引額(商取引市場規模)に対する電子商取引額の割合。
2――インターネット通販市場の成長可能性
1|年代別にみたネットショッピングの利用状況
総務省「家計消費状況調査」によれば、年代別にみたネットショッピングの利用率は、「39歳以下」の年代(45%)が最も高く、年齢が上がるにつれて低下する傾向にある(図表5)。
一方、ネットショッピング支出額は、「50~59歳」の年代(年間41万円)が最も多く、次いで「60~69歳」(年間40万円)、「70歳以上」(年間39万円)の世代が多い(図表6)。ネットショッピングを利用している層に限定してみると、ミドル・シニア層(50代以上)の方が、若年層と比べてネットショッピングの支出額が多い傾向にある。
前述の通り、若い年代ほど、ITリテラシーが高く、ネットショッピングを利用する人は多い。例えば、現時点で「50~59歳」の世帯のネットショッピングの利用率よりも、10年後の「50~59歳」(現在の「40~49歳」)のネットショッピングの利用率は高いことから、ネットショッピングの利用率は今後、ますます上昇すると見込まれる。
また、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によれば、総世帯数は2023年まで増加し続け(図表8)、世帯構成は、ネットショッピング支出額が多い50代以上の割合が高まる見通しである(図表9)。今後、ネットショッピング支出の多いミドル・シニア層は現時点より拡大すると見込まれる。
以上の状況を踏まえると、ネットショッピングの利用率の上昇と、ネットショッピング支出の多いミドル・シニア層の拡大に支えられ、インターネット通販市場の成長は継続すると思われる。
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