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2018年度診療報酬改定を読み解く(下)-外来機能の分化、かかりつけ医機能の充実を巡る論点と課題

保険研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 三原 岳
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医療サービスの公定価格である診療報酬が4月から変わった。(上)では診療報酬改定の概要や重点項目を概観した上で、重点項目に位置付けられた提供体制改革の一環として、急性期病床の見直しに関する報酬改定の内容を取り上げるとともに、同じ目的を持った「地域医療構想」との整合性や役割分担を論じた。
(下)では、同じく提供体制改革の一環として進められている「外来の機能分化」「かかりつけ医機能の充実」を取り上げる。具体的には、中小病院や診療所が外来を担う一方、地域の拠点となる大病院に関する入院の機能を強化する観点に立ち、(1)紹介状なしにダイレクトに大病院を受診した場合、5,000円を追加で徴収する対象病院の拡大、(2)患者の日常をカバーする「かかりつけ医」機能の充実――といった制度改正が盛り込まれており、これらの内容や背景を取り上げる。さらに、日本のかかりつけ医の定義を巡る曖昧さを論じるため、海外の事例などとの対比を試みるほか、2020年度報酬改定を見据えた今後の論点を探ることにしたい。
■目次
1――はじめに~かかりつけ機能の強化~
2――外来機能の分化、かかりつけ機能強化の内容
1|提供体制の問題点
2|紹介状なしで受診した場合、5,000円追加徴収する大病院の対象拡大
3|かかりつけ医機能の強化
4|2018年度改定で期待される効果
5|次期改定を見据えた議論
3――OECDの報告書
4――英仏との比較
1|イギリスの制度との対比
2|フランスの制度との対比
3|かかりつけ薬剤師・薬局を巡る議論
4|いくつかのバリエーション
5――今後の論点(1)~登録制度の是非~
1|登録制度への不安を示す調査
2|ゲートキーパー機能への支持を示す調査
3|2つの調査の差異
6――今後の論点(2)~かかりつけとなる医師の在り方~
1|かかりつけ医と総合診療医
2|歴史的な経緯
7――おわりに
(2018年05月02日「基礎研レポート」)

03-3512-1798
- プロフィール
【職歴】
1995年4月~ 時事通信社
2011年4月~ 東京財団研究員
2017年10月~ ニッセイ基礎研究所
2023年7月から現職
【加入団体等】
・社会政策学会
・日本財政学会
・日本地方財政学会
・自治体学会
・日本ケアマネジメント学会
【講演等】
・経団連、経済同友会、日本商工会議所、財政制度等審議会、日本医師会、連合など多数
・藤田医科大学を中心とする厚生労働省の市町村人材育成プログラムの講師(2020年度~)
【主な著書・寄稿など】
・『必携自治体職員ハンドブック』公職研(2021年5月、共著)
・『地域医療は再生するか』医薬経済社(2020年11月)
・『医薬経済』に『現場が望む社会保障制度』を連載中(毎月)
・「障害者政策の変容と差別解消法の意義」「合理的配慮の考え方と決定過程」日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク編『トピック別 聴覚障害学生支援ガイド』(2017年3月、共著)
・「介護報酬複雑化の過程と問題点」『社会政策』(通巻第20号、2015年7月)ほか多数
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