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多彩な小型ロボットが活躍する超高齢社会(その3)-「分身ロボット」を介して人とコミュニケーションする-

青山 正治
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OriHimeは簡単な操作でユニークな特長を発揮
さらに、アクションボタン(写真-1参照)による簡単な操作で、例えば「喜ぶ」「照れる」「困る」などの感情表現(写真-2参照)を可能とでき、ビデオ電話のコミュニケーションにリアルタイムで付加し対応できる。この事によってOriHimeを前にした遠方の話相手は、まるで操作者がOriHimeに一体化したような感覚でコミュニケーションが取れるという。また、操作者は家族や友人などの協力を得てOriHimeを目的とする場所や友人達との旅行に同行させてもらえれば、この機器の持つユニークなポーズなどの機能を活用して、友人達との楽しい時間を共有することもできよう。
活用例
また、最近では企業におけるテレワークの分野で活用が始まっており、在宅の管理職と若手社員のミーティングにこのOriHimeを活用するような事例も登場しているようである。
このほか、同研究所では2017年度に厚生労働省の「障害者自立支援機器等開発促進事業(平成29年度)」の採択事業で、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの重度肢体不自由者に対する視線入力型オフィス業務補助ツール(デジタル透明文字盤(OriHime eye))の開発などをも進めている。
筆者はOriHimeの応用分野や需要はまだ数多くあると思っており、それらサービス提供環境の充実やOriHimeの需要拡大と共に同研究所の今後の取組に注目したい。
コミュニケーション分野の新たな動き
しかし、OriHimeにしても様々なタイプの介護ロボットにしても、分類上はサービスロボットに属していることには間違いないだろう。そして、そのサービスロボットの活用で最も重要な点は、提供するサービス(コト)の内容である。だからと言ってロボット(=モノ)を軽視しているのでなく、サービスを生み出し提供する上で、ロボットの重要性は普遍である。この質の高い“コト”を継続して生み出し“人”と“人”の結びつきを支援していけるかどうかが、色々あるコミュニケーションロボットの役割の一つではないだろうか。
今後とも様々なタイプのコミュニケーションロボットが登場してこようが、少子高齢化社会の様々な局面で広く役立つロボットの登場に期待する。
(2018年03月27日「研究員の眼」)
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