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- 貿易統計17年11月-アジア向けを中心に好調が続く輸出
2017年12月18日
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1.原油価格大幅上昇でも貿易黒字を維持
財務省が12月18日に公表した貿易統計によると、17年11月の貿易収支は1,134億円と6ヵ月連続の黒字となり、事前の市場予想(QUICK集計:▲58億円、当社予想は▲82億円)を上回る結果となった。輸出入ともに前年比で二桁の高い伸びが続いたが、原油価格上昇の影響から輸入の伸び(前年比17.2%)が輸出の伸び(同16.2%)を上回ったため、貿易収支は前年に比べ▲332億円の悪化となった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比5.5%(10月:同3.8%)、輸出価格が前年比10.1%(10月:同9.8%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比2.6%(10月:同3.2%)、輸入価格が前年比14.2%(10月:同15.2%)であった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比5.5%(10月:同3.8%)、輸出価格が前年比10.1%(10月:同9.8%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比2.6%(10月:同3.2%)、輸入価格が前年比14.2%(10月:同15.2%)であった。
季節調整済の貿易収支は3,641億円の黒字となり、10月の3,493億円から黒字幅が若干拡大した。輸出が前月比1.6%の増加となり、輸入の伸び(同1.4%)を上回った。
2.アジア向け輸出が好調
11月の輸出数量指数を地域別に見ると、米国向けが前年比4.8%(10月:同1.6%)、EU向けが前年比▲1.8%(10月:同0.6%)、アジア向けが前年比9.1%(10月:同7.8%)となった。
季節調整値(当研究所による試算値)では、米国向けが前月比9.1%(10月:同▲7.9%)、EU向けが前月比0.6%(10月:同▲1.1%)、アジア向けが前月比5.2%(10月:同▲1.6%)、全体では前月比1.6%(10月:同0.5%)となった。10、11月の水準を7-9月期と比較すると、米国向けは▲2.5%、EU向けは▲0.6%下回っているが、アジア向けが3.3%上回り、全体では1.1%上回っている。輸出は、IT関連を中心とした世界的な製造業サイクルの好転を背景に、アジア向けを中心に好調を維持している。
一方、11月の輸入数量指数(当研究所による季節調整値)は前月比0.9%(10月:同0.1%)と2ヵ月連続で上昇したが、10、11月の平均は7-9月期と同水準となっている。
季節調整値(当研究所による試算値)では、米国向けが前月比9.1%(10月:同▲7.9%)、EU向けが前月比0.6%(10月:同▲1.1%)、アジア向けが前月比5.2%(10月:同▲1.6%)、全体では前月比1.6%(10月:同0.5%)となった。10、11月の水準を7-9月期と比較すると、米国向けは▲2.5%、EU向けは▲0.6%下回っているが、アジア向けが3.3%上回り、全体では1.1%上回っている。輸出は、IT関連を中心とした世界的な製造業サイクルの好転を背景に、アジア向けを中心に好調を維持している。
一方、11月の輸入数量指数(当研究所による季節調整値)は前月比0.9%(10月:同0.1%)と2ヵ月連続で上昇したが、10、11月の平均は7-9月期と同水準となっている。
7-9月期のGDP速報では、財貨・サービスの輸出が前期比1.5%と2四半期ぶりの増加となる一方、財貨・サービスの輸入が同▲1.6%と5四半期ぶりに減少したため、外需寄与度が前期比0.5%と成長率を大きく押し上げた。
10-12月期は輸出が底堅さを維持するものの、国内需要の持ち直しを反映し輸入が増加に転じることから、外需のプラス幅は縮小することが予想される。
10-12月期は輸出が底堅さを維持するものの、国内需要の持ち直しを反映し輸入が増加に転じることから、外需のプラス幅は縮小することが予想される。
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(2017年12月18日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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