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- 貿易統計17年9月-7-9月期の外需寄与度は前期比0.4%程度のプラスに
2017年10月19日
1.円安の影響で輸出入ともに高い伸び
財務省が10月19日に公表した貿易統計によると、17年9月の貿易収支は6,702億円と4ヵ月連続の黒字となり、事前の市場予想(QUICK集計:5,600億円、当社予想は5,547億円)を上回る結果となった。円安の影響で輸出入ともに高い伸びとなったが、輸出の伸び(前年比14.1%)が輸入の伸び(前年比12.0%)を上回ったため、貿易収支は前年に比べ1,836億円の改善となった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比4.8%(8月:同10.4%)、輸出価格が前年比8.9%(8月:同7.0%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比▲0.3%(8月:同2.4%)、輸入価格が前年比12.3%(8月:同12.6%)であった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比4.8%(8月:同10.4%)、輸出価格が前年比8.9%(8月:同7.0%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比▲0.3%(8月:同2.4%)、輸入価格が前年比12.3%(8月:同12.6%)であった。
季節調整済の貿易収支は2,403億円の黒字となり、8月の3,083億円から黒字幅が縮小した。輸出が前月比▲0.3%(8月:同1.4%)と3ヵ月ぶりに減少する一方、輸入が前月比0.7%(8月:同1.4%)と2ヵ月連続で増加した。
9月の通関(入着)ベースの原油価格は1バレル=51.6ドル(当研究所による試算値)となり、8月の49.1ドルから上昇した。足もとのドバイ原油は50ドル台半ばで推移しており、通関ベースの原油価格も10月には50ドル台半ばまで上昇することが見込まれる。輸出は堅調に推移しているが、原油価格上昇に伴う輸入価格の上昇を主因として、貿易収支(季節調整値)は縮小傾向が続く可能性が高い。
9月の通関(入着)ベースの原油価格は1バレル=51.6ドル(当研究所による試算値)となり、8月の49.1ドルから上昇した。足もとのドバイ原油は50ドル台半ばで推移しており、通関ベースの原油価格も10月には50ドル台半ばまで上昇することが見込まれる。輸出は堅調に推移しているが、原油価格上昇に伴う輸入価格の上昇を主因として、貿易収支(季節調整値)は縮小傾向が続く可能性が高い。
2.米国向けの輸出数量(季節調整値)が2四半期連続で大幅上昇
9月の輸出数量指数を地域別に見ると、米国向けが前年比6.2%(8月:同18.1%)、EU向けが前年比▲1.7%(8月:同2.9%)、アジア向けが前年比8.9%(8月:同9.4%)となった。
7-9月期の地域別輸出数量指数を季節調整値(当研究所による試算値)でみると、米国向けが前期比3.3%(4-6月期:同4.4%)、EU向けが前期比▲3.5%(4-6月期:同2.9%)、アジア向けが前期比2.5%(4-6月期:同▲3.3%)、全体では前期比1.6%(4-6月期:同▲0.1%)となった。
高めの伸びが続いていたEU向けは5四半期ぶりのマイナスとなったが、米国向け、アジア向けの好調がそれをカバーする形で全体では2四半期ぶりの上昇となった。海外経済の回復を背景に輸出は堅調な推移が続いている。
一方、7-9月期の輸入数量指数(当研究所による季節調整値)は前期比▲0.9%(4-6月期:同1.3%)と5四半期ぶりに低下した。輸入は国内需要の持ち直しを背景に増加を続けてきたが、7-9月期は個人消費の回復ペースが鈍化したこともあり、弱めの動きとなった。
高めの伸びが続いていたEU向けは5四半期ぶりのマイナスとなったが、米国向け、アジア向けの好調がそれをカバーする形で全体では2四半期ぶりの上昇となった。海外経済の回復を背景に輸出は堅調な推移が続いている。
一方、7-9月期の輸入数量指数(当研究所による季節調整値)は前期比▲0.9%(4-6月期:同1.3%)と5四半期ぶりに低下した。輸入は国内需要の持ち直しを背景に増加を続けてきたが、7-9月期は個人消費の回復ペースが鈍化したこともあり、弱めの動きとなった。
3.7-9月期の外需寄与度は前期比0.4%程度のプラスに
9月までの貿易統計と8月までの国際収支統計の結果を踏まえて、17年7-9月期の実質GDPベースの財貨・サービスの輸出入を試算すると、輸出が前期比1%台半ばの増加、輸入が前期比▲1%程度の減少となることが見込まれる。この結果、7-9月期の外需寄与度は前期比0.4%(4-6月期:同▲0.3%)と2四半期ぶりのプラスとなることが予想される。
当研究所では鉱工業生産、家計調査、建築着工統計等の結果を受けて、10/31のweeklyエコノミストレターで7-9月期の実質GDP成長率の予測を公表する予定である。現時点では、民間消費が7四半期ぶりに前期比マイナスとなるなど、国内需要は4-6月期に比べ弱めの動きとなるものの、外需が成長率を大きく押し上げることから、前期比年率1%台後半のプラス成長を予想している。
当研究所では鉱工業生産、家計調査、建築着工統計等の結果を受けて、10/31のweeklyエコノミストレターで7-9月期の実質GDP成長率の予測を公表する予定である。現時点では、民間消費が7四半期ぶりに前期比マイナスとなるなど、国内需要は4-6月期に比べ弱めの動きとなるものの、外需が成長率を大きく押し上げることから、前期比年率1%台後半のプラス成長を予想している。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2017年10月19日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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