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2017年09月25日
欧州大手保険グループの2017年上期末SCR比率の状況について-ソルベンシーIIに基づく数値結果報告-
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(3)トピック
会社は、完全な内部モデルの使用に向けて、引き続き監督当局のIVASSと交渉中としているが、2016年にフランスの生命保険事業において内部モデルの適用が認められたことから、会社ベースと監督ベースのソルベンシー比率の差異が2015年末の31%ポイントから2016年末は17%ポイントに大きく低下していた。
2017年上期末においては、この点に関しての大きな進展は見られず、両者の差異は19%ポイントと引き続き大きく乖離している。
会社は、完全な内部モデルの使用に向けて、引き続き監督当局のIVASSと交渉中としているが、2016年にフランスの生命保険事業において内部モデルの適用が認められたことから、会社ベースと監督ベースのソルベンシー比率の差異が2015年末の31%ポイントから2016年末は17%ポイントに大きく低下していた。
2017年上期末においては、この点に関しての大きな進展は見られず、両者の差異は19%ポイントと引き続き大きく乖離している。
Prudentialは移行措置を適用しているが、2016年決算において、移行措置適用による影響は25億ポンドで、SCR比率への影響は20%ポイントであるとしていた。
5|Aviva
Avivaも会社ベースと監督ベースの2つのソルベンシー比率を開示している。
Avivaの以下の数値は、会社の株主ビューによるもので、完全に区分された(ring-fenced)有配当ファンド(2016年末で29億ポンド)、職員年金制度(2016年末で11億ポンド)のSCRと自己資本が除かれている。 殆どの重要な完全に区分された有配当ファンドと職員年金制度は、SCRを上回るいかなる資本もグループで認識されておらず、ソルベンシーII資本ベースでは自立している。会社の株主ビューは、株主のリスク・エクスポジャーと適格自己資本でSCRをカバーするグループの能力をより適切に表している、としている。
(1)SCR比率の推移
Avivaの会社ベースの数値は、2017年上期末に、基礎的な営業利益の計上を主因として、2016年末に比べて4%ポイント上昇した。一方で、監督ベースの数値は、3%ポイント低下した。
Avivaも会社ベースと監督ベースの2つのソルベンシー比率を開示している。
Avivaの以下の数値は、会社の株主ビューによるもので、完全に区分された(ring-fenced)有配当ファンド(2016年末で29億ポンド)、職員年金制度(2016年末で11億ポンド)のSCRと自己資本が除かれている。 殆どの重要な完全に区分された有配当ファンドと職員年金制度は、SCRを上回るいかなる資本もグループで認識されておらず、ソルベンシーII資本ベースでは自立している。会社の株主ビューは、株主のリスク・エクスポジャーと適格自己資本でSCRをカバーするグループの能力をより適切に表している、としている。
(1)SCR比率の推移
Avivaの会社ベースの数値は、2017年上期末に、基礎的な営業利益の計上を主因として、2016年末に比べて4%ポイント上昇した。一方で、監督ベースの数値は、3%ポイント低下した。
(3)トピック
Avivaは、2017年上半期において、以下の資本取引を行うことで、効率的な資本管理を行っている。
・スペイン事業の大半を4億7500万ユーロで売却
・Friends Provident International Limited(FPIL)を340百万ポンドで売却
・5月に、3億ポンドの自己株式買戻しを発表(7月末時点で3分の1以上を完了)
Avivaは、2017年上半期において、以下の資本取引を行うことで、効率的な資本管理を行っている。
・スペイン事業の大半を4億7500万ユーロで売却
・Friends Provident International Limited(FPIL)を340百万ポンドで売却
・5月に、3億ポンドの自己株式買戻しを発表(7月末時点で3分の1以上を完了)
(2017年09月25日「基礎研レポート」)
関連レポート
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中村 亮一のレポート
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