- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 鉱工業生産17年7月~内外需要の増加を背景に好調が継続
2017年08月31日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.上昇、低下を繰り返しながら堅調を維持
経済産業省が8月31日に公表した鉱工業指数によると、17年7月の鉱工業生産指数は前月比▲0.8%(6月:同2.2%)と2ヵ月ぶりに低下し、事前の市場予想(QUICK集計:前月比▲0.3%、当社予想は同▲1.4%)を下回る結果となった。出荷指数は前月比▲0.7%と2ヵ月ぶりの低下、在庫指数は前月比▲1.2%と2ヵ月連続の低下となった。生産指数は16年12月以降、上昇と低下を繰り返しているが、均してみれば上昇基調が維持されている。
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は17年4-6月期の前期比5.0%の後、7月は前月比▲4.4%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は17年4-6月期の前期比0.8%の後、7月は前月比▲0.8%となった。7月の指数を4-6月期と比較すると、資本財出荷(除く輸送機械)は▲4.4%低いが、建設財は1.2%高い水準にある。

消費財出荷指数は17年4-6月期の前期比4.0%の後、7月は前月比▲1.3%となった。非耐久消費財は前月比0.6%(4-6月期:前期比2.8%)と上昇したが、耐久消費財が前月比▲3.1%(4-6月期は前期比4.6%)、と大きく落ち込んだ。昨日までに公表された7月の主な消費関連指標を確認すると、家計調査(実質消費支出)、百貨店売上高が前年比でマイナスに転じる一方、商業動態統計の小売業販売額が前月比で高い伸びとなるなど、強弱入り混じる結果となった。
GDP統計の民間消費は17年4-6月期には前期比0.9%の高い伸びとなったが、高い伸びの反動もあり、7-9月期は前期比で小幅なマイナスになる可能性が高いだろう。
2.7-9月期も増産が確実

17年7月の生産指数を8、9月の予測指数で先延ばしすると、17年7-9月期は前期比2.3%の高い伸びとなる。生産計画が下方修正される傾向が続いているため、7-9月期の伸びは4-6月期(前期比2.1%)を下回ることが見込まれるが、6四半期連続の増産は確実だろう。
内外需要の増加を背景に鉱工業生産は先行きも堅調に推移することが予想される。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2017年08月31日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/21 | 消費者物価(全国25年2月)-コアCPI上昇率は当面3%前後で推移する見通し | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/19 | 貿易統計25年2月-関税引き上げ前の駆け込みもあり、貿易収支(季節調整値)が黒字に | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/11 | 2024~2026年度経済見通し-24年10-12月期GDP2次速報後改定 | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/07 | 可処分所得を下押しする家計負担の増加-インフレ下で求められるブラケットクリープへの対応 | 斎藤 太郎 | 基礎研マンスリー |
新着記事
-
2025年03月25日
ますます拡大する日本の死亡保障不足-「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査<速報版>」より- -
2025年03月25日
米国で広がる“出社義務化”の動きと日本企業の針路~人的資本経営の視点から~ -
2025年03月25日
産業クラスターを通じた脱炭素化-クラスターは温室効果ガス排出削減の潜在力を有している -
2025年03月25日
「大阪オフィス市場」の現況と見通し(2025年) -
2025年03月25日
ヘルスケアサービスのエビデンスに基づく「指針」公表
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【鉱工業生産17年7月~内外需要の増加を背景に好調が継続】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
鉱工業生産17年7月~内外需要の増加を背景に好調が継続のレポート Topへ