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- 逆張りされる国内株式ファンド~2017年5月の投信動向~
コラム
2017年06月07日
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国内株式から大規模な資金流出
また外国REITについては、流出金額が100億円程度と4月(200億円)と比べて小さかった。人気外国REITファンドの分配金の引き下げをきっかけに昨年11月から資金流出が続いているが、分配金引き下げに伴う解約が一巡してきたのかもしれない。
AIファンドが引き続き人気
個別ファンドへの資金流入を見ると、毎月分配型のファンドと合わせてAI(人工知能)関連ファンドに資金流入した【図表3】。4位の「ダイワ・グローバルIoT関連株ファンド -AI新時代-」は4月に設定されたテクノロジー系の企業に投資するテーマ型のファンドである。その一方で為替ヘッジなしが5位、為替ヘッジありが6位となった「ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンド」は米国の小型株の優良銘柄を選別する際に、AIを使ってビッグデータを活用している5月新設のファンドである。3つのファンドは2月に設定された「野村グローバルAI関連株式ファンド」や「GSグローバル・ビッグデータ投資戦略」と比べるとやや低調なスタートであるが、AIファンドに対する投資家の関心が引き続き高いことがうかがえる。
また、2位にインド株式ファンド、9位にインド・ルピーの通貨選択型ファンドが入った。4月から引き続きインド関連ファンドの人気も高かった。
また、2位にインド株式ファンド、9位にインド・ルピーの通貨選択型ファンドが入った。4月から引き続きインド関連ファンドの人気も高かった。
国内株式の中小型成長株ファンドでも逆張り
5月にパフォーマンスが良好であったファンドを見ると、上位9ファンドが国内株式ファンドとなった【図表4】。その多くが中小型成長株ファンドであり、国内中小型成長株の健闘が目立った。
5月の国内株式市場は、前半は堅調であったが、後半に円高に反転したこともあり外需系の大型株を中心に伸び悩んだ。そのため、国内株式市場全体(TOPIX)は2%強の上昇にとどまった。ただ、中小型の成長(グロース)株に限ると、Russell/Nomura日本株インデックスの中小型グロースの上昇率が6%を超えるなど、大きく上昇した。その様な市場環境に加えて、銘柄選別でプラスアルファが取れた中小型成長株ファンドの収益率は10%を超え、パフォーマンスが特に良好であったといえる。
5月の国内株式市場は、前半は堅調であったが、後半に円高に反転したこともあり外需系の大型株を中心に伸び悩んだ。そのため、国内株式市場全体(TOPIX)は2%強の上昇にとどまった。ただ、中小型の成長(グロース)株に限ると、Russell/Nomura日本株インデックスの中小型グロースの上昇率が6%を超えるなど、大きく上昇した。その様な市場環境に加えて、銘柄選別でプラスアルファが取れた中小型成長株ファンドの収益率は10%を超え、パフォーマンスが特に良好であったといえる。
(ご注意)当資料のデータは信頼ある情報源から入手、加工したものですが、その正確性と完全性を保証するものではありません。当資料の内容について、将来見解を変更することもあります。当資料は情報提供が目的であり、投資信託の勧誘するものではありません。
(2017年06月07日「研究員の眼」)

03-3512-1785
経歴
- 【職歴】
2008年 大和総研入社
2009年 大和証券キャピタル・マーケッツ(現大和証券)
2012年 イボットソン・アソシエイツ・ジャパン
2014年 ニッセイ基礎研究所 金融研究部
2022年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・投資信託協会「すべての人に世界の成長を届ける研究会」 客員研究員(2020・2021年度)
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