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- 消費者物価(全国17年3月)~物価の基調は弱く、年度替わりの値上げも限定的
2017年04月28日
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1.コアCPIは3ヵ月連続のプラス
コアCPIの内訳をみると、ガソリン(2月:前年比15.8%→3月:同20.4%)、灯油(2月:前年比29.8%→3月:同29.9%)が前年比で二桁の大幅上昇を続ける中、電気代(2月:前年比▲4.0%→3月:同▲2.0%)、ガス代(2月:前年比▲6.5%→3月:同▲5.2%)の下落幅が縮小したことから、エネルギー価格の上昇率が2月の前年比1.6%から同3.9%へと拡大した。
2.4月の東京都区部では年度替わりの値上げは限定的
17年4月の東京都区部のコアCPIは前年比▲0.1%(3月:前年比▲0.4%)と14ヵ月連続の下落となったが、下落率は前月から0.3ポイント縮小した。事前の市場予想(QUICK集計:▲0.2%、当社予想も▲0.2%)を上回る結果であった。
ガソリン(3月:前年比21.2%→4月:同15.1%)、灯油(3月:前年比15.1%→4月:同14.3%)が前年比で二桁の大幅上昇を続ける中、電気代(3月:前年比▲3.6%→4月:同▲0.3%)、ガス代(3月:前年比▲8.7%→4月:同▲5.8%)の下落幅が縮小したことから、エネルギー価格の下落率が3月の前年比▲2.5%から同▲0.3%へと縮小した。
ガソリン(3月:前年比21.2%→4月:同15.1%)、灯油(3月:前年比15.1%→4月:同14.3%)が前年比で二桁の大幅上昇を続ける中、電気代(3月:前年比▲3.6%→4月:同▲0.3%)、ガス代(3月:前年比▲8.7%→4月:同▲5.8%)の下落幅が縮小したことから、エネルギー価格の下落率が3月の前年比▲2.5%から同▲0.3%へと縮小した。

東京都区部のコアCPI上昇率のうち、エネルギーによる寄与が▲0.02%(3月:▲0.13%)、食料(生鮮食品を除く)が0.15%(3月:0.07%)、その他が▲0.24%(3月:▲0.33%)であった。
なお、4月は年度替わりの料金改定が行われやすい月である。ようかん、プリンなどの菓子類(3月:前年比▲0.3%→4月:同0.5%)、月謝類(3月:前年比0.0%→4月:同0.7%)、大学授業料(私立)(3月:前年比0.6%→4月:同1.0%)、幼稚園保育料(公立)(3月:前年比3.5%→4月:同5.2%)など、一部で値上げの動きが見られたが、物価全体に与えるインパクトは限定的にとどまった。
3.コアCPI上昇率は17年後半にゼロ%台後半へ
ガソリン、灯油の前年比上昇率は3月をピークに縮小し始めているが、原油価格の動きが遅れて反映される電気代、ガス代は17年度入り後に上昇率がプラスに転じ、夏場にかけて伸びを高めることが見込まれる。エネルギーによるコアCPI上昇率の押し上げ寄与は夏場にかけて0.5%程度まで拡大するだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2017年04月28日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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