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- 人手不足はどこまで深刻なのか
2017年04月14日
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■要旨
- 失業率が約22年ぶりの2%台まで低下するなど雇用関連指標は大幅な改善が続いており、企業の人手不足感もバブル期並みの高さとなっている。こうした中、人手不足が経済成長の制約要因になるとの見方が増えている。
- 足もとの人手不足は労働需要の強さが主因であり労働供給力は低下していない。10年前(2007年)の雇用政策研究会の報告書では、2017年の労働力人口は、労働市場への参加が進まないケースでは2006年と比べ440万人の大幅減少、労働市場への参加が進むケースでも101万人の減少が見込まれていた。実際の労働力人口は、女性、高齢者の労働参加拡大が予想以上に進んだことから、10年間(2007~2016年)で9万人増加した。
- 就業を希望しているが求職活動を行っていないため非労働力人口とされている潜在的な労働力は380万人(2016年)いる。人口の減少ペースは今後加速するが、労働力率を潜在的な労働力率まで引き上げることができれば、今後10年間は現状程度の労働力人口の水準を維持することが可能だ。
- 人手不足の一因は、雇用の非正規化などで一人当たりの労働時間が減少し、労働投入量が伸び悩んでいることだ。不本意型の非正規労働者の正規労働者への転換、追加就業を希望する非正規労働者の労働時間増加も人手不足への対応として有効だろう。
- 潜在的な労働力の活用によって当面は労働供給力の急低下は避けられる。人手不足による経済成長への悪影響を過度に悲観する必要はない。
■目次
●人手不足はどこまで深刻なのか
・労働需要の強さが人手不足の主因
・労働力人口は見通しから大きく上振れ
・潜在的な労働力の活用
・労働力人口の先行き試算
・構造的失業率は失業率の下限ではない
・正規労働者への転換、労働時間の増加も有効
●人手不足はどこまで深刻なのか
・労働需要の強さが人手不足の主因
・労働力人口は見通しから大きく上振れ
・潜在的な労働力の活用
・労働力人口の先行き試算
・構造的失業率は失業率の下限ではない
・正規労働者への転換、労働時間の増加も有効
(2017年04月14日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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