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- トランプ大統領は、アメリカの「福男」になれるか-「主体」と「客体」入れ替わる時代
歴代アメリカ大統領の就任演説では、重要な時代状況を反映し、名言が生まれたりすることも多い。第35代大統領ジョン・F・ケネディは、1961年の就任演説で『アメリカ国民の皆さん、国があなたに何をするかを問うのではなく、あなたが国に何ができるかを問うてください』(My fellow Americans: ask not what your country can do for you, ask what you can do for your country.)と語った。
また、冷戦の最中にある世界に向けて、『世界の皆さん、アメリカがあなた方に何をするかではなく、人類の自由のために共に何ができるかを問うてください』(My fellow citizens of the world: ask not what America will do for you, but what together we can do for the freedom of man.)と述べた。つまり「客体」としての国民にとどまるのではなく、「主体」としての国民の行動を呼びかけたのだ。
話は変わるが、兵庫県西宮市の西宮神社は商売繁盛「えべっさん」の総本社だ。ここでは、新年恒例の「福男選び」が行われ、今年も1月10日の開門と同時に、本殿までの230メートルの参道を約5千人が駆け抜けた。当日朝の報道バラエティ番組では、「開門神事」を取り上げた放送局も多く、これまでに「福男」に輝いた人の運気を追跡取材していた。
それによると「福男」になった人は意外と幸運に恵まれることは少なく、けがや病気、失恋など不運に遭遇することが多いとレポートしていた。それに対して、インタビューに応じた神社の宮司からは、『福男は福を授かる人ではなく、福を授ける人のこと』とのコメントがあり、とても興味深かった。つまり真の「福男」は、福を授かる「客体」ではなく、人々に福を授ける「主体」ということだろうか。
アメリカ歴代大統領は、建国以来のフロンティア・スピリッツを掲げ、世界の平和と繁栄を目指してきた。しかし、グローバル化の進展は、超大国アメリカを世界に「福」を授ける「主体」から、世界から「福」を授かる「客体」に方向転換させようとしている。トランプ大統領が、『アメリカを再び偉大にする』(We Will Make America Great Again.)を実現する、真のアメリカの「福男」になることを期待したい。
(参考) 研究員の眼 『漂流する米国と英国の行方~「上下」と「左右」に関する“気づき”から』(2017年1月24日)
土堤内 昭雄
研究・専門分野
(2017年01月31日「研究員の眼」)
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