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歯科医療の変化-かかりつけ歯科医は何をすべきか?

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
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従来、医療は、医療施設に患者が通院・入院して行われることが一般的であった。しかし、高齢化が進み、自宅や介護施設等で生活する高齢者が増えれば、医療施設から、高齢者が生活する地域へと医療の現場は拡大していく。これに伴い、訪問診療や訪問看護の需要が高まっていく。
歯科医療についても同様であり、歯科医師が、高齢者の自宅や介護施設等に往診することが、一般的に行われるようになるものと考えられる。訪問診療を行っている歯科診療所の、数の推移を見てみよう。近年、施設訪問診療は、着実に増加している。それとともに、一時停滞していた居宅訪問診療も、回復しつつある。総じて、高齢者への在宅歯科医療は、徐々に拡大していると言える。
21 以前 (2012年度改定時) は、同一の建物に居住する患者数が10人以上であっても、2~9人と同額の報酬とされていた。
22 加算額は、1件1,000円。
23 在宅等において療養を行っている患者(同一日に、同一の建物に居住する複数の患者に、歯科訪問診療を行う場合を除く)に対して、20分以上の診療を行った場合の診療料。図表26における、患者1人の場合の報酬 (8,660円) を指す。
歯科医療は、歯科診療所を中心に行われている。これまで、歯科診療所は、歯や口腔の健康について、地域の住民が身近に訪れる医療機関として、機能してきた。今後は、この機能を拡充して、診療所に従事する歯科医師が、かかりつけ歯科医として、地域住民の口腔保健に努めることが期待されている。
具体的には、定期健診や予防管理と、補綴を中心とした歯科治療の両面から、地域の歯科医療をサポートすることとなろう。日本歯科医師会が実施したアンケート調査によると、2016年に、かかりつけの歯科医がいると回答した人の割合は、67%に上っている。この割合は、60歳代では77%、70歳代では86%に上っており、高齢者ほど、かかりつけ歯科医を有していることがわかる。高齢化に伴って、これから地域歯科医療を拡充していく上で、歯科診療所を中心とした取り組みが有効であることを、示唆する調査結果と言える。
(2016年12月12日「基礎研レポート」)

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
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