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導入迫るリスク分担型企業年金-DB制度改正(案)の概要とリスク分担型企業年金への移行時に留意すべきポイント
金融研究部 企業年金調査室長 年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 梅内 俊樹
昨年度来、検討が進められてきた掛金の弾力的な拠出を可能とするリスク対応掛金と、この仕組みを活用した新たな制度としてのリスク分担型企業年金が、ともに導入に向けた最終段階に差し掛かっている。本稿では、改正内容(案)を概観した上で、事業主たる企業と加入者・受給者の間でリスクの負担割合を柔軟に設定できる企業年金制度として新たに導入が予定されるリスク分担型企業年金に焦点を当てて、通常のDB制度からの移行に際して留意すべきポイントについて確認した。
リスク分担型企業年金は、労使間で柔軟にリスクを分担できるところに特徴があるが、通常のDBからの移行に際しては、制度全体のリスクを単に分担するという視点だけでなく、リスクの総量を軽減し、加入者・受給者の将来の給付減額リスクの軽減に資する運用の在り方を検討する必要がある。その上で、労使双方が納得できる制度としてリスク分担型企業年金が有効活用されることが重要である。
■目次
1――目前に迫るDB制度の改正
2――DB制度の主な改正内容
1|掛金拠出の弾力化と財政均衡の考え方の見直し
2|財政悪化リスク相当額の算定方法(通常のDB制度)および拠出方法
3|導入が予定されるリスク分担型企業年金の概要
3――リスク分担型企業年金の給付減額リスクを踏まえた労使合意の必要性
1|リスク分担型企業年金への移行では加入者・受給者の給付減額リスクの共有が重要
2|シミュレーション前提
3|シミュレーション結果-企業のリスク負担割合によって
加入者・受給者の給付減額リスクは大きく異なる
4――リスク分担型企業年金でリスクを軽減するためのポイント
1|移行時の積立剰余が労使のリスク負担を軽減
2|リスク軽減には運用効率を高める取り組みも欠かせない
5――リスク分担型企業年金の健全な発展に向けて
03-3512-1849
- 【職歴】
1988年 日本生命保険相互会社入社
1995年 ニッセイアセットマネジメント(旧ニッセイ投信)出向
2005年 一橋大学国際企業戦略研究科修了
2009年 ニッセイ基礎研究所
2011年 年金総合リサーチセンター 兼務
2013年7月より現職
2018年 ジェロントロジー推進室 兼務
2021年 ESG推進室 兼務
公式SNSアカウント
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