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- スマートフォンは金融サービスを変えるか-スマートフォンを介した金融サービス利用者の特徴と利用実態
2016年09月15日
(2) 今後の意向
スマートフォンによる金融サービスの今後の利用意向についてみると、全体では「残高照会」が22.3%で最も多く、以下、「振込」(17.5%)、「株式売買」(13.6%)、「定期預金などの預入」(11.0%)の順で続く(図表6)。性別では男性で「株式売買」や「外貨預金」、「投信購入」などのリスク性金融商品の売買に関する項目で高く、年齢別ではほぼすべての項目で若年層ほど高くなっている。一方、金融意識セグメント別では、すべての項目について全体に比べ“低金融リテラシー/高コンサルティング・情報希求”が高く、“高金融リテラシー/高コンサルティング・情報希求”では「株式売買」や「外貨預金」、「投信購入」で全体に比べ高くなっている。
前述の直近1年間にスマートフォンで利用した金融関連のサービスと比較すると、対比可能なすべての取引で利用意向が上回っており、「株式売買」や「外貨預金」、「投信購入」では約10pt差と差が大きくなっている。属性別や金融意識セグメント別にみると、30~40代や“低金融リテラシー/高コンサルティング・情報希求”の層では「小口ローン・キャッシング」でも利用意向が10pt以上上回っていることから、これらの層を中心として、様々な金融取引がスマートフォンを介して行われるようになっていくものと思われる。
スマートフォンによる金融サービスの今後の利用意向についてみると、全体では「残高照会」が22.3%で最も多く、以下、「振込」(17.5%)、「株式売買」(13.6%)、「定期預金などの預入」(11.0%)の順で続く(図表6)。性別では男性で「株式売買」や「外貨預金」、「投信購入」などのリスク性金融商品の売買に関する項目で高く、年齢別ではほぼすべての項目で若年層ほど高くなっている。一方、金融意識セグメント別では、すべての項目について全体に比べ“低金融リテラシー/高コンサルティング・情報希求”が高く、“高金融リテラシー/高コンサルティング・情報希求”では「株式売買」や「外貨預金」、「投信購入」で全体に比べ高くなっている。
前述の直近1年間にスマートフォンで利用した金融関連のサービスと比較すると、対比可能なすべての取引で利用意向が上回っており、「株式売買」や「外貨預金」、「投信購入」では約10pt差と差が大きくなっている。属性別や金融意識セグメント別にみると、30~40代や“低金融リテラシー/高コンサルティング・情報希求”の層では「小口ローン・キャッシング」でも利用意向が10pt以上上回っていることから、これらの層を中心として、様々な金融取引がスマートフォンを介して行われるようになっていくものと思われる。
4――まとめと若干の含意
これまでみてきたとおり、近年、急速に普及が拡大してきたスマートフォンは、近年では中高年層における利用の拡大が目立つようになっている。一方、すでに成熟期に入っている若年層においては、PCの保有率を上回る状況も見られるようになっている。また、実際の利用実態としては、電子メールやSNSなどのコミュニケーション利用が中心であり、商品・サービスの購入・取引にも利用されているものの、金融関連の取引については未だ途上といった状況にあることが示された。
このようなスマートフォンによる金融サービスの利用者は、20~40代の正規就業者の男性が中心であり、一般の商品・サービスについてネット通販による購入経験者、特にスマートフォンでの購入経験者で利用される傾向にあることが明らかとなった。また、金融意識との関連では、スマートフォンでの金融サービスの利用経験者は金融リテラシー、相談ニーズがともに高い層の構成比が高くなっていた。
スマートフォンで利用した具体的な金融サービスについては、総じて残高照会や振込、電子マネーのチャージ、株式売買といった、時間や場所を選ばずサービスニーズが生じる取引での利用が多くなっているものの、年代によりやや差異があることも確認された。金融意識の面では、金融取引の利用経験、利用意向ともに金融リテラシーの程度によらず相談ニーズが高いセグメントで相対的に高い傾向も確認された。
冒頭でも示したとおり、スマートフォンは若年層においては既に成熟期に入り、近年では中高年層において急速に普及が拡大しており、インターネット・サービスを考えるにあたっては、世代を問わずスマートフォンでの利用を前提として検討することが求められる状況にあるといえる。
このような環境の中、スマートフォンを用いた金融サービスは、現状では20~40代の正規就業者の男性を中心に、主として金融リテラシーや相談ニーズが高い層で利用される傾向にあり、今後についても彼らを中心に様々な金融取引においてスマートフォン上での取引が希望されていた。このことは、すべての金融取引について、スマートフォンの画面を前提とした顧客体験設計の重要性を示している。既に主要な金融機関においてはPCやスマートフォン、タブレット端末といった複数のデバイスでの利用を前提としてウェブサイトやアプリの開発・改修が進められているが、今後の中高年層や高齢者へのスマートフォンの普及拡大を踏まえれば、これらの顧客層を含めて適切な対応がなされているかについて、再考する必要もあるのではないだろうか。一方で、多くの金融取引で潜在的に相談ニーズを抱える層ほど基本的にセルフサービスとなるスマートフォンチャネルを希望する傾向にあることは、相談・コンサルティングを通じたクロスセル・アップセルの機会が減少する可能性も危惧されよう。スマートフォンの画面を通じて金融取引を行う利用者をどのように店頭での相談・コンサルティングに誘導していくか、各金融機関においては、顧客ニーズを踏まえた導線設計も急務であるといえるだろう。
このようなスマートフォンによる金融サービスの利用者は、20~40代の正規就業者の男性が中心であり、一般の商品・サービスについてネット通販による購入経験者、特にスマートフォンでの購入経験者で利用される傾向にあることが明らかとなった。また、金融意識との関連では、スマートフォンでの金融サービスの利用経験者は金融リテラシー、相談ニーズがともに高い層の構成比が高くなっていた。
スマートフォンで利用した具体的な金融サービスについては、総じて残高照会や振込、電子マネーのチャージ、株式売買といった、時間や場所を選ばずサービスニーズが生じる取引での利用が多くなっているものの、年代によりやや差異があることも確認された。金融意識の面では、金融取引の利用経験、利用意向ともに金融リテラシーの程度によらず相談ニーズが高いセグメントで相対的に高い傾向も確認された。
冒頭でも示したとおり、スマートフォンは若年層においては既に成熟期に入り、近年では中高年層において急速に普及が拡大しており、インターネット・サービスを考えるにあたっては、世代を問わずスマートフォンでの利用を前提として検討することが求められる状況にあるといえる。
このような環境の中、スマートフォンを用いた金融サービスは、現状では20~40代の正規就業者の男性を中心に、主として金融リテラシーや相談ニーズが高い層で利用される傾向にあり、今後についても彼らを中心に様々な金融取引においてスマートフォン上での取引が希望されていた。このことは、すべての金融取引について、スマートフォンの画面を前提とした顧客体験設計の重要性を示している。既に主要な金融機関においてはPCやスマートフォン、タブレット端末といった複数のデバイスでの利用を前提としてウェブサイトやアプリの開発・改修が進められているが、今後の中高年層や高齢者へのスマートフォンの普及拡大を踏まえれば、これらの顧客層を含めて適切な対応がなされているかについて、再考する必要もあるのではないだろうか。一方で、多くの金融取引で潜在的に相談ニーズを抱える層ほど基本的にセルフサービスとなるスマートフォンチャネルを希望する傾向にあることは、相談・コンサルティングを通じたクロスセル・アップセルの機会が減少する可能性も危惧されよう。スマートフォンの画面を通じて金融取引を行う利用者をどのように店頭での相談・コンサルティングに誘導していくか、各金融機関においては、顧客ニーズを踏まえた導線設計も急務であるといえるだろう。
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(2016年09月15日「基礎研レポート」)
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