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東京のマンション、実はそこまで高くない!?~修正年収倍率による東京マンション市場の分析~

佐久間 誠
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最後に東京都下の年収倍率と修正年収倍率を確認する。2015年の年収倍率は6.8倍である(図表―11)。前年比2.3%低下したが、ミニバブル期のピークである2008年の6.7倍を上回る水準だ。東京都区部ほどではないが、東京都下についても高値水準にある。
年収倍率からは過熱感がうかがえるものの、住宅ローンを考慮すると、異なる様相を呈する。2015年の修正年収倍率は、8.4倍と前年比4.7%低下した。ミニバブル期のピークである9.9倍を明らかに下回る水準だ。また2010年以降の平均倍率は8.5倍であり、2015年は平均水準であることがわかる。東京都下のマンションは、修正年収倍率の水準からもモメンタムからも、概ねファンダメンタルズに沿って、安定的に推移していると言える。
4――おわりに
住宅取得者の購買力は改善しているが、留意すべき点もある。購買力改善の要因が、住宅取得者の所得向上ではなく、住宅ローン金利低下によるものだということである。住宅ローン金利は、既に下限近くに達しており、低下余地は限られる。金融面からのマンション価格押し上げは今後期待しづらい。今後、購買力改善の牽引役を、住宅ローン金利低下から所得向上に引き継ぐことができるかが、今後の東京のマンション市場の先行きを占う上で重要になるだろう。
(2016年05月26日「基礎研レポート」)
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