- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経営・ビジネス >
- 雇用・人事管理 >
- 健康経営を巡る政府・企業の取り組み
コラム
2016年03月02日
健康経営とは
健康経営が注目されている。
1980年代に米国の経営心理学者のロバート・ ローゼン氏によって「健康な従業員こそが収益性の高い会社をつくる」という“ヘルシーカンパニー”思想が提唱された。日本でも、福利厚生としてではなく、企業の持続的な成長に向けて従業員の健康に関与する必要があるという考えの下、「健康経営」という言葉が生まれている。
「健康経営」は、NPO法人 健康経営研究会によって商標登録されており、同会のHPによれば、「健康経営とは、『企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる』との基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することを意味しています。」とある。
また、「従業員の健康管理・健康づくりの推進は、単に医療費という経費の節減のみならず、生産性の向上、従業員の創造性の向上、企業イメージの向上等の効果が得られ、かつ、企業におけるリスクマネジメントとしても重要です。 従業員の健康管理者は経営者であり、その指導力の元、健康管理を組織戦略に則って展開することがこれからの企業経営にとってますます重要になっていくものと考えられます。」と解説されている。
1980年代に米国の経営心理学者のロバート・ ローゼン氏によって「健康な従業員こそが収益性の高い会社をつくる」という“ヘルシーカンパニー”思想が提唱された。日本でも、福利厚生としてではなく、企業の持続的な成長に向けて従業員の健康に関与する必要があるという考えの下、「健康経営」という言葉が生まれている。
「健康経営」は、NPO法人 健康経営研究会によって商標登録されており、同会のHPによれば、「健康経営とは、『企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる』との基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することを意味しています。」とある。
また、「従業員の健康管理・健康づくりの推進は、単に医療費という経費の節減のみならず、生産性の向上、従業員の創造性の向上、企業イメージの向上等の効果が得られ、かつ、企業におけるリスクマネジメントとしても重要です。 従業員の健康管理者は経営者であり、その指導力の元、健康管理を組織戦略に則って展開することがこれからの企業経営にとってますます重要になっていくものと考えられます。」と解説されている。
政府の取り組み 2013年の再興戦略から本格化
企業の取り組み 先駆的なデータ分析などはこれから
中小企業の取り組みはこれから
このように大企業では様々な取り組みを進めているが、中小企業での取り組みはまだ少ない。しかし、病気やメンタルの不調等で従業員が欠ければ、事業に与える影響は中小企業の方が大きい。東京商工リサーチの調査では、2015年の倒産件数は前年比9.4%減と減少した一方で、「人手不足」関連倒産は同5.6%増と増加した。労働人口の減少に伴い、人材確保が困難となっており、中小企業ほど従業員の健康に目を配り、生産性を高める必要がある。そして、社員の健康促進をコストとしてではなく、投資と捉えることが重要だ。ただ、そもそもノウハウもなく、費用対効果といったメリットがはっきりしないのが現状だろう。
そのため、アクションプラン2015では労働人口の7割を占める中小企業の健康経営促進に力を入れていくとしている。大企業向けには取り組みが評価・表彰される仕組みが中心だった。中小企業向けには、横展開を図るための優良事例の公表やノウハウを提供するアドバイザーの資格制度の創設、さらに健康経営に取り組む優良企業に対して政府系金融機関などから低金利で融資を受けられることも検討している。
また、政府は2015年9月に一億総活躍社会を掲げ、その中で「生涯現役社会」の実現に向けて健康経営、健康宣言等に取り組む企業を増やすための環境整備を対策の1つに挙げた。心身ともに健康であることは一億総活躍社会の基盤であるといっていい。政府の後押しもあり、今後「健康」を巡る取り組みは中小企業にも拡大していくだろう。
そのため、アクションプラン2015では労働人口の7割を占める中小企業の健康経営促進に力を入れていくとしている。大企業向けには取り組みが評価・表彰される仕組みが中心だった。中小企業向けには、横展開を図るための優良事例の公表やノウハウを提供するアドバイザーの資格制度の創設、さらに健康経営に取り組む優良企業に対して政府系金融機関などから低金利で融資を受けられることも検討している。
また、政府は2015年9月に一億総活躍社会を掲げ、その中で「生涯現役社会」の実現に向けて健康経営、健康宣言等に取り組む企業を増やすための環境整備を対策の1つに挙げた。心身ともに健康であることは一億総活躍社会の基盤であるといっていい。政府の後押しもあり、今後「健康」を巡る取り組みは中小企業にも拡大していくだろう。
(2016年03月02日「研究員の眼」)
白波瀨 康雄
研究・専門分野
白波瀨 康雄のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2019/04/05 | 都道府県別にみたホテルの稼働率予測ーインバウンド拡大に伴う建設が進み、一部地域では供給過剰も | 白波瀨 康雄 | 基礎研マンスリー |
2019/02/18 | 都道府県別にみた宿泊施設の稼働率予測~インバウンド拡大に伴うホテル建設が進み、一部地域では供給過剰も~ | 白波瀨 康雄 | 基礎研レポート |
2019/01/29 | 広がる物価の世代間格差~先行きは消費税率引き上げに伴い一段と拡大~ | 白波瀨 康雄 | 研究員の眼 |
2018/12/12 | 企業物価指数(2018年11月)~石油製品の下落を受けて前月比で8ヵ月ぶりの下落~ | 白波瀨 康雄 | 経済・金融フラッシュ |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年10月04日
気候変動への耐久力を強化するために、保険を活用すること-欧州委員会における検討会の最終報告書の紹介 -
2024年10月04日
再保険に関する監督・規制を巡る最近の動向-資産集約型再保険の拡大とPE会社の保険セクターへの関与- -
2024年10月03日
暑さ指数(WBGT)と熱中症による搬送者数の関係 -
2024年10月03日
公的年金の制度見直しは一日にしてならず -
2024年10月03日
市場参加者の国債保有余力に関する論点
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【健康経営を巡る政府・企業の取り組み】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
健康経営を巡る政府・企業の取り組みのレポート Topへ