2016年01月19日

さくらレポート(2016年1月)~景気は改善基調を維持も、先行きは景況感の悪化が鮮明

  岡 圭佑

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図15 地域別の鉱工業生産指数・寄与度分解(2) (関東、四国、九州では輸送機械が低調)
生産が不振な地域では、東北、関東、四国、九州のように輸送機械が低調に推移している。生産の増減率(2012年10-12月期→2015年7-9月期)に対する輸送機械の寄与度をみると、全国が1.1%であるのに対し、4地域(東北、関東、四国、九州)はそれぞれ▲2.4%、▲2.4%、▲7.8%、▲2.3%とマイナス寄与となっている(図15)。
 
関東における輸送機械の輸出金額増減率4(2012年10-12月期から2015年10-12月期の前年比の平均)をみてみると、1.1%と全国の3.4%を下回り、輸出先別の寄与度は中国向け(▲1.7%)、アジア(中国を除く)向け(▲2.7%)のマイナス寄与が大きい(図16)。輸送機械の輸出先別のウェイト(2014年)を地域別に比較すると、関東ではとりわけアジア(中国を除く)が29.5%と、他の輸出先に比べ輸出比率が高く(図17)、伸び率(2012年10-12月期→2015年7-9月期)5は▲7.1%と大きく低下している。アジア向け(中国を除く)ではインドネシア、タイやマレーシアなどが二桁を超える大幅なマイナスとなっており、背景には新興国経済の減速に伴う需要の低迷6や、大手企業が現地生産を加速していること7が挙げられる。このほか、中国向けのウェイト(7.0%)は全国(8.2%)ほどではないが、自動車部品などの落ち込みを主因として輸送機械の伸び率(2012年10-12月期→2015年7-9月期)は▲16.0%と他の輸出先の中で下落幅は突出している。
図16 輸送機械の輸出金額・寄与度分解/図17 輸出金額(輸送機械)の地域別ウェイト
北陸、東海の鉱工業生産は、2012年以降の回復局面において全国平均の水準を上回り堅調に推移している。北陸では、政府の普及促進策等を背景に化学が高水準を維持しているほか、スマートフォン向けの増産を主因に電子部品・デバイスが堅調に推移している。また、生産に占める輸送機械のウェイトが高い東海では電子部品・デバイスのほか、米国向けを中心とした自動車の輸出増を主因として輸送機械が高水準で推移している。一方、関東、九州などでは輸送機械が弱めの動きとなっており、その要因である外需の減少は、中国など新興国の経済減速の影響によるところが大きい。消費税率引き上げによって落ち込んだ生産は在庫調整の進展もあり持ち直しの動きがみられるものの、一部の地域では新興国経済の減速によるマイナスの影響が顕在化している。
 
 
4 金額ベースでは為替の影響を考慮する必要があるが、貿易統計では輸出数量を地域別に公表していないため、金額ベースとした
5 2012年10-12月期から2015年7-9月期における四半期別の前年同期比増減率を平均したもの
6 神奈川県金融経済概況、群馬県金融経済概況による
7 MARKLIMES、インドネシア自動車製造業者協会の公表資料による
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岡 圭佑

研究・専門分野

(2016年01月19日「経済・金融フラッシュ」)

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