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円売り余地大、ドル円は回復へ~マーケット・カルテ5月号
基礎研REPORT(冊子版) 2015年5月号
経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志
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ドル円レートはこのところ円高ドル安ぎみに推移し、足元は119円を割り込んでいる。不振な米経済指標が続いているうえ、ドル高が米経済に与える悪影響への懸念も強く、ドル高を促す米利上げ観測が後退していることが主因だ。ギリシャ不安もリスク回避の円買いを正当化している。さらに、本邦貿易赤字の縮小や政府関係者による円安けん制発言といった日本側の要因も円安抑制に作用している。
今後も短期的にはさらなるドル高修正が有り得るが、3ヵ月後は現状比でやや円安ドル高との見通しを存置する。急激なドル高は、それ自体が利上げ観測後退に繋がるため見込み難いが、今後の米経済指標は寒波と港湾ストの影響が剥落・緩和することで持ち直しが予想される。米経済への不安後退により利上げ観測が高まることで、緩やかなドル高が再開しそうだ。また、日銀の追加緩和期待と実行(7月を予想)も円安材料になる。シカゴ投機筋のネット円売りポジション(CME)は、直近ピークの1/5に縮小しており、円売りの余地は大きい。
ユーロ円相場は、欧州金利の低下により、ややユーロ安基調となっているが、3ヵ月後は現状比横ばいと予想。欧州金利の低迷とギリシャ不安が引き続きユーロ安材料になるが、欧州景気には回復がみられるほか、日銀の追加緩和が対円でのユーロ安進行を阻むだろう。
長期金利は安定感を取り戻しつつある。今後は米金利の持ち直しが金利上昇圧力となるが、日銀の国債大量買入れのもと上昇余地は乏しい。3ヵ月後は現状比横ばい圏内と予想する。
(執筆時点:2015/4/20)
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(2015年04月20日「基礎研マンスリー」)
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