- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 企業物価指数(2015年3月)~輸入物価は下落基調が鈍化
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・消費増税の影響を除くと、下落幅は2ヵ月連続で縮小
・輸入物価は下落基調が鈍化
・交易条件は6ヵ月ぶりに悪化
・最終財価格はマイナスが続く
■要旨
4月13日に日本銀行から発表された企業物価指数によると、2015年3月の国内企業物価指数は前年比0.7%(2月:同0.4%)と事前の市場予想(QUICK集計:前年比0.4%)を上回る結果となった。前月比では0.3%と2月の▲0.1%からプラスに転じた。消費税分を除いた企業物価は、前年比▲2.1%(2月:同▲2.4%)と下落幅は2ヵ月連続で縮小した。
原油価格(ドバイ)は、14年度後半の1バレル=100ドル台から下落を続けた後、1月の1バレル=40ドル台を底に持ち直しつつある。このため、企業物価(前年比)はマイナスのピーク時(1月:前年比▲2.5%)から3月には前年比▲2.1%までマイナス幅が縮小している。当面、原油価格下落による物価押し下げ効果が後ズレするため、消費税分を除いた企業物価(前年比)はマイナス圏での推移が続くものの、原油安の一服でマイナス幅は徐々に縮小すると予想する。
3月の輸入物価(円ベース)は前年比▲8.1%(2月:同▲10.1%)と下落幅が縮小し、前月比では2.0%(2月:同▲5.4%)と4ヵ月ぶりにプラスとなった。
3月の輸出物価は、前年比3.6%(前月比0.7%)、輸入物価は前年比▲8.1%(前月比2.0%)となった。一方、契約通貨ベースでは、輸出物価が前年比▲4.8%(前月比0.1%)、輸入物価が前年比▲17.1%(前月比1.0%)となった。
3月の需要段階別指数(消費税除く、国内品+輸入品)をみると、国内需要財価格は前年比▲3.6%(2月:同▲4.3%)と4ヵ月連続のマイナスとなった。当面、足元の原油安を主因とした素原材料価格の下落が後ズレして中間財、最終財価格に波及するだろう。ただし、原油価格の下落に一服感もあって素原材料は下落幅を縮小していることから、夏場以降最終財の上昇基調は明確なものになると予想する。
(2015年04月13日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ
岡 圭佑
岡 圭佑のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2017/05/10 | 企業の賃上げ意欲を削ぐ社会保障負担 | 岡 圭佑 | 基礎研マンスリー |
2017/03/24 | 企業の賃上げ意欲を削ぐ社会保障負担 | 岡 圭佑 | 基礎研レター |
2017/02/10 | 企業物価指数(2017年1月)~2015年3月以来の上昇、物価は上昇基調へ | 岡 圭佑 | 経済・金融フラッシュ |
2017/02/09 | 景気ウォッチャー調査(17年1月)~回復基調に一服感、トランプ新政権に対する不透明感が重石 | 岡 圭佑 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年03月21日
東南アジア経済の見通し~景気は堅調維持、米通商政策が下振れリスクに -
2025年03月21日
勤務間インターバル制度は日本に定着するのか?~労働時間の適正化と「働きたい人が働ける環境」のバランスを考える~ -
2025年03月21日
医療DXの現状 -
2025年03月21日
英国雇用関連統計(25年2月)-給与(中央値)伸び率は5.0%まで低下 -
2025年03月21日
宇宙天気現象に関するリスク-太陽フレアなどのピークに入っている今日この頃
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【企業物価指数(2015年3月)~輸入物価は下落基調が鈍化】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
企業物価指数(2015年3月)~輸入物価は下落基調が鈍化のレポート Topへ