- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- アジア新興国・地域の経済見通し~原油安の恩恵で、内需中心の安定成長へ
2015年03月20日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- アジア新興国・地域の10-12月期の成長率は前年同期比+5.8%と、前期の同+6.0%から鈍化した。直近3年平均の成長率が5.3%であることを踏まえると、回復基調は失われてはいないようだ。国別に見ると、ASEAN4は比較的堅調で、韓国・台湾・インドが鈍化した。総じて、輸出が中国向けを中心に伸び悩むなか、内需の強さで明暗が分かれる傾向が見られた。
- 先行きについては、先進国経済が回復する一方で中国経済が鈍化するために輸出の牽引力は乏しいが、昨年からの原油価格の下落は、エネルギー資源を海外に依存するアジア新興国・地域の内需の回復に繋がる。当面は原油価格が緩やかな上昇に止まるなかで、アジア新興国・地域は内需中心の安定成長が続くと見ている。
- 今後のリスク要因としては、引き続き新興国からの資金流出の加速が挙げられる。利上げに向かう米FRBの市場との対話の失敗や中国経済のハードランディング、資源国の通貨危機や財政危機は、そのきっかけになりうるだろう。地政学的リスクとしては、ウクライナやイスラム国の問題はアジア新興国としても無視できるものではない。また、タイでは軍事政権からの民政移管を混乱なく乗り切ることができるか、注意する必要がありそうだ。
(2015年03月20日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/06/13 | インド消費者物価(25年5月)~5月のCPI上昇率は+2.8%、食品価格の低下が続いて6年ぶりの低水準に | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/12 | インド株式市場における国内投資家の存在感と資金構造の変化 | 斉藤 誠 | 基礎研レポート |
2025/06/09 | インド経済の見通し~金融・財政政策の下支えにより+6%台半ばの堅調な成長が続く | 斉藤 誠 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/05/19 | マレーシア経済:25年1-3月期の成長率は前年同期比+4.4%~鉱業輸出が減少、3四半期連続の景気減速に | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年06月13日
インド消費者物価(25年5月)~5月のCPI上昇率は+2.8%、食品価格の低下が続いて6年ぶりの低水準に -
2025年06月13日
年齢制限をすり抜ける小学生たち -
2025年06月13日
欧州保険会社が2024年のSFCR(ソルベンシー財務状況報告書)を公表(2)-SCRの算出(内部モデルの使用状況と分散効果の状況等)- -
2025年06月13日
DeepSeekに見るAIの未来 -近年のAI進化の背景とは -
2025年06月13日
株主提案による役員選任議案-フジメディア・ホールディングス
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
【アジア新興国・地域の経済見通し~原油安の恩恵で、内需中心の安定成長へ】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
アジア新興国・地域の経済見通し~原油安の恩恵で、内需中心の安定成長へのレポート Topへ