- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- アジア新興国・地域の経済見通し~緩やかな輸出拡大と原油安を追い風に景気回復が続く
2014年12月19日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- アジア新興国・地域の7-9月期の成長率は前年同期比+4.6%と、前期の+4.9%から鈍化した。2011年10-12月期以降、概ね4%台前半で推移してきたことを踏まえると、回復基調は維持したと言える。国別に見ると、タイを除く国・地域が鈍化した。総じて、内需は堅調さを維持する一方で、輸出が日本・中国向けを中心に鈍化し、輸入が増加基調で推移したことが成長率の下押しとなる傾向が見られた。
- 先行きについては、輸出は米国主導の世界景気の回復を受けて拡大に転じ、内需は足元の原油安が消費・投資のサポート要因となることから成長率は上向くだろう。原油安の継続は、家計の購買力の増加を通じて消費の拡大に繋がり、企業にとっては生産コストの低下に繋がる。一方、原油の純輸出国であるマレーシアでは、石油関連企業の業績悪化が投資の減少に繋がるほか、政府の石油関連収入が減少し、財政目標が未達となる懸念もある。
- リスク要因としては、新興国からの資金流出の加速が挙げられる。アジア新興国・地域から米国への資金回帰の動きは続くだろうが、米国の出口戦略のプロセスも明らかになってきていること、また日本・欧州・中国は金融緩和局面にあること、そしてアジア通貨危機の時と比べて金融・資本構造がスマートになっていることから、通貨が暴落するような状況は考えにくい。
(2014年12月19日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ
関連レポート

03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/08/15 | マレーシア経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比+4.4%~堅調な内需に支えられて横ばいの成長に | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/13 | インド消費者物価(25年8月)~7月のCPI上昇率は+1.6%、食品価格の下落が続き8年ぶりの低水準に低下 | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/07 | フィリピン経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比5.5%増~インフレの緩和と利下げにより消費が好調 | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/05 | インドネシア経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比+5.12%~輸出と投資の拡大で2年ぶりの高水準 | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年08月15日
マレーシア経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比+4.4%~堅調な内需に支えられて横ばいの成長に -
2025年08月15日
グローバル株式市場動向(2025年7月)-米国と日欧の関税大枠合意により安心感が広がる -
2025年08月15日
生成AIを金融リスク分析の視点から読み解いてみる-なぜ人間によるファクトチェックが必要なのか -
2025年08月15日
QE速報:2025年4-6月期の実質GDPは前期比0.3%(年率1.0%)-トランプ関税下でも輸出が増加し、プラス成長を確保 -
2025年08月15日
地方で暮らすということ-都市と地方の消費構造の違い
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【アジア新興国・地域の経済見通し~緩やかな輸出拡大と原油安を追い風に景気回復が続く】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
アジア新興国・地域の経済見通し~緩やかな輸出拡大と原油安を追い風に景気回復が続くのレポート Topへ