- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 1月マネー統計~マネーの伸びは鈍化したが、投信は堅調をキープ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・貸出動向: 貸出の伸びは鈍化
・主要銀行貸出動向アンケート調査: 個人向け貸出の持ち直しが継続
・マネタリーベース: 増勢は鈍化したが問題なし
・マネーストック: 投資信託は堅調をキープ
■要旨
1月の銀行貸出(平均残高)の伸び率は前年比2.6%と前月からやや縮小した。12月の一時的な賞与支払い用資金などが返済された影響が出たほか、1月の為替がやや円高ドル安に振れたことで前年比での円安ペースが鈍化し、外貨建て貸出の円換算残高が減少したことも貸出の伸び率縮小に作用したようだ。
主要銀行貸出動向アンケート調査によれば、2014年10-12月期の(銀行から見た)企業の資金需要増減を示す企業向け資金需要判断D.I.は、小幅ながら4四半期ぶりに改善した。また、個人向けD.I.も2期連続となる改善を示した。消費税率引き上げに伴って一旦大きく落ち込んだ個人の資金需要だが、その後は住宅ローンを中心に持ち直しが続いている。
日銀による資金供給量を示すマネタリーベースの1月平均残高の前年比伸び率は37.4%と、前月からやや縮小した。日銀当座預金の伸び率が縮小したためである。また、金融政策運営との関係で注目度の高い末残の前月末からの増加額も2.7兆円に留まった。ただし、1月は季節柄マネタリーベースの増加要因である国債償還が少なく、マネタリーベースが減少しやすいことが影響したとみられ、今のところは特段問題ない状況と考えられる。
1月のマネーストック統計によると、市中通貨量の代表的指標であるM2(現金、国内銀行などの預金)平均残高の伸び率は前年比3.4%、M3は同2.8%と、それぞれ前月からやや伸びが縮小した。貸出の伸び率鈍化が影響したとみられる。また、M3にリスク性資産等を含めた広義流動性の伸び率も縮小したが、こうした中でも投資信託は堅調を維持。1月の伸び率は拡大したうえ、残高(元本ベース)も88.1兆円と過去最高を更新している。13年半ば以降の投資信託の増勢は06年から07年にかけての急増に次ぐ勢いをキープしている。NISAの普及もあり、家計のリスク性資産投資の受け皿として選好されているようだ。
(2015年02月12日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/08/12 | 貸出・マネタリー統計(25年7月)~銀行貸出が連月で急増、定期預金も増勢を拡大中 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/04 | 長期金利1.6%到達は通過点か?~今後の金利見通し | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/07/23 | 参院選・日米関税合意を受けて円相場はどう動く?~マーケット・カルテ8月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/07/09 | 貸出・マネタリー統計(25年6月)~銀行貸出の伸びが回復、マネタリーベースは前年割れが定着 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年08月14日
ロシアの物価状況(25年7月)-総合指数は前年比8%台まで低下 -
2025年08月13日
インド消費者物価(25年8月)~7月のCPI上昇率は+1.6%、食品価格の下落が続き8年ぶりの低水準に低下 -
2025年08月13日
企業物価指数2025年7月~国内企業物価は4ヵ月連続で伸びが縮小~ -
2025年08月13日
英国雇用関連統計(25年7月)-週平均賃金は前年比4.6%まで低下 -
2025年08月12日
東京オフィス市場は賃料上昇継続。宿泊需要は伸び率が鈍化-不動産クォータリー・レビュー2025年第2四半期
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【1月マネー統計~マネーの伸びは鈍化したが、投信は堅調をキープ】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
1月マネー統計~マネーの伸びは鈍化したが、投信は堅調をキープのレポート Topへ