- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 12月マネー統計~マネーの波及は貸出次第
■見出し
・貸出動向: 伸び率は小幅に鈍化
・マネタリーベース: 年末の見通しを達成
・マネーストック: マネーの伸びは一服
■要旨
12月の銀行貸出(平残)の伸び率は前年比2.7%(前月は2.8%)と小幅に縮小した。比較対象である13年12月に大口貸出があった反動が出たとのこと。また、12月は前年比での円安進行ペースがやや鈍っており、このことも伸び率縮小に働いたようだ。
日銀による資金供給量を示すマネタリーベースの12月平均残高は267.4兆円、前年比伸び率は38.2%(前月は36.7%)と前月からやや拡大した。日銀の金融政策運営との関係で最も注目度が高かった12月末のマネタリーベース残高は275.9兆円となり、日銀が自ら示していた14年末見通し(275兆円)を達成した。
マネーストック統計によると、市中通貨量を示す12月のM2、M3の前年比伸び率はともに前月から横ばいであった。M2は4ヵ月ぶり、M3は3ヵ月ぶりに伸び率の拡大が止まったことになるが、法人税の支払いや貸出の伸び鈍化が影響したとみられる。
14年の銀行貸出の前年比伸び率は2.5%(1月)で始まり、2.7%(12月)で終了と、伸び悩みが目立つ一年であった。マネーストックM2の伸び率も4.2%(1月)から3.5%(12月)と鈍化している。10月末の追加緩和によって、マネタリーベースの増加ペースは既に上がっている。今年は「マネタリーベース→貸出→マネーストック」というマネーの波及が活発化するか、貸出の動向が焦点となる。
(2015年01月14日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/10/23 | 円安再燃、1ドル160円に逆戻りするリスクは?~マーケット・カルテ11月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2024/10/11 | 貸出・マネタリー統計(24年9月)~金融政策正常化を受けてマネタリーベースが前年割れに、貸出の伸びは円高で抑制 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2024/10/07 | 不透明感を増す利上げの行方~日銀金融政策のポイントと見通し | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2024/10/01 | 日銀短観(9月調査)~景況感はほぼ横ばい、設備投資は堅調維持、日銀の見通しに概ね沿った内容に | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年10月25日
金融システム、特に保険と年金基金のリスクと脆弱性に対する助言等の公表(欧州 2024秋)-EIOPA等の合同報告書の紹介 -
2024年10月25日
米労働市場の緩やかな減速が継続-景気が堅調を維持する中、失業率の大幅上昇は回避へ -
2024年10月25日
副業・兼業で広がるキャリア戦略~会社視点の働き方改革から生き方改革へ~ -
2024年10月24日
24年9月末時点の経過措置適用企業の進捗状況~経過措置の適用は2025年3月から順次終了~ -
2024年10月23日
円安再燃、1ドル160円に逆戻りするリスクは?~マーケット・カルテ11月号
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【12月マネー統計~マネーの波及は貸出次第】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
12月マネー統計~マネーの波及は貸出次第のレポート Topへ