- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 11月マネー統計~預金大幅増、リスク性資産は鈍化
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・貸出動向: 円安もあって急拡大
・マネタリーベース: 年末見通しまで残り12兆円
・マネーストック: 預金大幅増、リスク性資産は鈍化
■要旨
11月の銀行貸出(平残)の伸び率は前年比2.8%(前月改定値は2.4%)と大幅に拡大した。同伸び率は09年5月(3.3%)以来5年半ぶりの高水準となる。従来同様、M&A向けや不動産向け貸出に加え、賞与・配当用の資金が伸びたほか、急激な円安進行によって外貨建て貸出の円換算残高が膨らんだことが影響しているとのこと。情報が限られているため影響度を計ることは困難だが、円安による円換算残高増加は資金の動きを伴っていないため、貸出の実勢という意味では、最近の伸び率上昇はやや割り引いて見る必要がある。
日銀による資金供給量を示すマネタリーベースの11月平均残高は259.3兆円、前年比伸び率は36.7%とわずかに縮小した。年末までの残り1ヵ月で約12兆円の積み増しが必要となるが、12月は季節柄、国債発行超が多くなく、マネタリーベースが増加しやすいため、年末見通し275兆円も射程圏内と考えられる。
マネーストック統計によると、市中通貨量を示す11月のM2、M3の前年比伸び率はともに前月から大きく上昇した。好調な企業業績や貸出の増加を背景とした法人預金の増加によるものとのこと。一方、M3に投信や外債といったリスク性資産等を含めた広義流動性の伸び率は前月から横ばいとなった。既述の通り、M3の伸びは拡大したが、投資信託、金銭の信託、外債といったリスク性資産の伸びが鈍化した。
(2014年12月09日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/18 | トランプ関税発の円高は止まるか?~マーケット・カルテ5月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/04/11 | 貸出・マネタリー統計(25年3月)~貸出金利は上昇中だが、貸出残高は増勢を維持、現金・普通預金離れが進む | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/07 | トランプ関税と円相場の複雑な関係~今後の展開をどう見るか? | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/01 | 日銀短観(3月調査)~日銀の言う「オントラック」を裏付ける内容だが、トランプ関税の悪影響も混在 | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年04月30日
2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~ -
2025年04月30日
「スター・ウォーズ」ファン同士をつなぐ“SWAG”とは-今日もまたエンタメの話でも。(第5話) -
2025年04月30日
米中摩擦に対し、持久戦に備える中国-トランプ関税の打撃に耐えるため、多方面にわたり対策を強化 -
2025年04月30日
米国個人年金販売額は2024年も過去最高を更新-トランプ関税政策で今後の動向は不透明に- -
2025年04月30日
ふるさと納税のピットフォール-発生原因と望まれる改良
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【11月マネー統計~預金大幅増、リスク性資産は鈍化】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
11月マネー統計~預金大幅増、リスク性資産は鈍化のレポート Topへ