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- 米国住宅市場の最新状況 ~ 本格的な市場回復への動き ~
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■見出し
1―はじめに
2―米国住宅市場の最新動向
1│家計のバランスシートと債務負担の改善
2│回復する住宅市場
3│課題が残る住宅ローン市場
3―米国の住宅投資の今後の見通し
■introduction
わが国の長期資産デフレやデフレからの脱却には不動産市場の回復が重要だが、これまでの経験から、グローバル経済下では欧米や東アジア諸国の動向にも注目しておく必要がある。そこで本稿では、最新データと現地調査に基づき、まず米国住宅市場の現状を報告したい。
米国の家計には、バランスシートの改善と債務負担の改善がみられる。新設住宅着工戸数や既存住宅取引、改修工事への投資は回復基調に転じており、差し押さえ件数も望ましい状況になりつつある。住宅ローンの信用供与は厳格に行われているが、住宅一次取得者は取引数の30%程度を維持し、住み替え購入者や投資家の需要が住宅市場の回復を支えている。
危機的水準にあった住宅の在庫月数はバブル以前の4~5ヶ月前後の水準まで低下し、不動産流通業者による今後の見通しは明るい。しかし、住宅ローン供与の停滞と開発負担金の上昇により、新規住宅建設が思うように進まないため、今後は住宅価格が上昇するとの見方が支配的になりつつある。供給が進まぬ場合は、地域的に住宅価格が高騰する懸念も出はじめており、住宅ローン市場の抜本的改革と地方自治体による土地利用規制や開発負担金の見直しが課題となろう。
これらの課題が解決されれば、米国の住宅市場は、今後も増加を続ける人口による強い需要に支えられ、回復から成長に力強く転じていくこととなろう。
(2013年03月27日「基礎研レポート」)
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03-3512-1791
- 【職歴】
1975年 丸紅(株)入社
1990年 (株)ニッセイ基礎研究所入社 都市開発部(99年より社会研究部門)
2001年より現職
【加入団体等】
・日本都市計画学会(1991年‐) ・武蔵野NPOネットワーク役員
・日本不動産学会(1996年‐) ・首都圏定期借地借家件推進機構会員
・日本テレワーク学会 顧問(2001年‐)
・市民まちづくり会議・むさしの 理事長(2005年4月‐)
・日米Urban Land Institute 国際会員(1999年‐)
・米国American Real Estate Finance and Economics Association国際会員(2000年‐)
・米国National Association of Real Estate Investment Trust国際会員(1999年‐)
・英国Association of Mortgage Intermediaries準国際会員待遇(2004年‐)
・米国American Planning Association国際会員(2004年‐)
・米国Pension Real Estate Association正会員(2005年‐)
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