2015年07月31日

【4-6月期米GDP】前期比年率+2.3%、個人消費主導で成長が加速

経済研究部 主任研究員 窪谷 浩

このレポートの関連カテゴリ

文字サイズ

【要旨】

1.結果の概要:個人消費主導で成長が加速

7月30日、米商務省の経済分析局(BEA)は4-6月期のGDP統計(1次速報値)を公表した。4-6月期の実質GDP成長率(以下、成長率)は、季節調整済の前期比年率で+2.3%となり、市場予想(Bloomberg集計の中央値、以下同様)の同+2.5%を小幅下回ったものの、1-3月期改定値(同+0.6%)から上昇した。

4-6月期の成長率を需要項目別にみると、民間設備投資がマイナスとなる一方、個人消費や住宅投資がプラスとなったほか、純輸出(成長率寄与度)も前期からプラスに転じた。

内需のうち、個人消費は前期比年率+2.9%(前期:同+1.8%)と、前期から伸びが大幅に加速し、市場予想(+2.7%)も上回った。一方、設備投資は▲0.6%(前期:+1.6%)となり、12年7-9月期以来のマイナスに転じた。住宅投資は、+6.6%(前期:+10.1%)と、2桁伸びた前期からは鈍化したものの、高い成長率が持続した。政府支出は+0.8%(前期:▲0.1%)と、こちらは3期ぶりにプラスに転じた。最後に在庫変動は、4-6月期の成長率寄与度が▲0.08%ポイント(前期:同+0.87%ポイント)となり、小幅ながらマイナス寄与となった。

外需では、輸出が前期比年率+5.3%(前期:同▲6.0%)と前期から大幅に伸びが加速する一方、輸入は同+3.5%(前期:同+7.1%)と伸びが鈍化した結果、4-6月期の純輸出(輸出―輸入)の成長率寄与度は+0.13%ポイント(前期:同▲1.92%)と、前期の大幅なマイナスから小幅ながらプラスに転じた。

また、今回は4-6月期成長率の発表と同時に、年次改定に伴い過去3年分の成長率についても改定値が発表された。改定の結果、前期(1-3月期)の成長率は前期比年率▲0.2%から同+0.6%に上方修正され、前期はプラス成長であったことが示された。1-3月期の低調な成長率が発表された際に、季節調整が上手くいっていないのではとの懸念が持たれていたが、BEAはそれに答える形で今回、個人消費のサービス支出や、在庫変動、国防関連の政府支出について季節調整方法の変更を行った。一方、これら改定の結果、通年の成長率(前年比)は12年(+2.3%→+2.2%)、13年(+2.2%→+1.5%)、14年(+2.4%変更なし)となった。

以上のように、4-6月期の成長率が前期から上昇したほか、前期もプラス成長であったことを考慮すれば、米国経済は底堅い成長が持続しているとみられる。

米国の実質GDP成長率(寄与度)/米国のGDP(項目別)



 
 以降、本稿では特に断りの無い限り季節調整済の実質値を指すこととする。
Xでシェアする Facebookでシェアする

このレポートの関連カテゴリ

経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

(2015年07月31日「経済・金融フラッシュ」)

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【【4-6月期米GDP】前期比年率+2.3%、個人消費主導で成長が加速】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

【4-6月期米GDP】前期比年率+2.3%、個人消費主導で成長が加速のレポート Topへ