- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 米国経済 >
- 【10-12月期米GDP】前期比年率+2.6%、底堅い成長が持続
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
【要旨】
結果の概要:成長率は低下
1月30日、米商務省の経済分析局(BEA)は10-12月期のGDP統計(1次速報値)を公表した。10-12月期の実質GDP成長率は、季節調整済の前期比年率1で+2.6%となり、7-9月期改定値(同+5.0%)から低下し、市場予想(Bloomberg集計の中央値、以下同様)の同+3.0%も下回った。
10-12月期のGDP成長率を需要項目別にみると、個人消費の伸びが加速した一方、設備投資の伸びは大幅に鈍化した。
内需のうち、個人消費は前期比年率+4.3%(前期:同+3.2%)と、06年1-3月期以来の高い伸びとなったほか、市場予想(同+4.0%)も上回った。また、住宅投資も前期比年率+4.1%(前期:同+3.3%)と前期から伸びが加速した。一方、設備投資は前期比年率+1.9%(前期:同+8.9%)となり、過去2四半期の高い伸びから大幅に鈍化したほか、前期に高い伸びとなった政府支出は前期比年率▲2.2%(前期:+4.4%)と前期の反動もあってマイナスに転じた。在庫変動は、10-12月期の成長率寄与度が+0.82%ポイント(前期:同▲0.03%ポイント)となり、成長率を押し上げる方向に働いた。
外需では、輸出が前期比年率+2.8%(前期:同+4.6%)と伸びが鈍化した一方、輸入は同+8.9%(前期:同▲0.9%)と前期のマイナスから反転し大幅に増加した。その結果、10-12月期は、純輸出(輸出―輸入)の成長率寄与度が▲1.02%ポイント(前期:同+0.78%)と、前期の大幅な押し上げから一転、成長率の押し下げ要因に転じた。
以上のように、10-12月期の成長率は7-9月期から低下した。前期は、国防関連支出の大幅増加や輸入減少などの一時的な要因により、成長率が押し上げられていたため、これらの要因が剥落する今期に成長率が低下することに驚きはない。しかしながら、輸出の伸び鈍化や設備投資の急減速は、海外景気のもたつきやドル高の影響も考えられるため、今後の動向には注意が必要だ。
一方、14年通期の成長率は、前年比+2.4%(前年:同+2.2%)と小幅ながら伸びが加速した。
(2015年02月02日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1824
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/06/09 | 米国経済の見通し-対中関税引き下げから景気後退懸念は緩和も、政策の予見可能性の低さから経済見通しは不透明 | 窪谷 浩 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/06/09 | 米雇用統計(25年5月)-5月の非農業部門雇用者数は市場予想を上回った一方、過去2ヵ月分が大幅に下方修正 | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/02 | 米個人所得・消費支出(25年4月)-個人消費(前月比)は高い伸びとなった前期から低下、市場予想に一致 | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
2025/05/19 | 米住宅着工・許可件数(25年4月)-着工件数(前月比)は前月を上回った一方、市場予想は小幅に下回った | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年06月13日
インド消費者物価(25年5月)~5月のCPI上昇率は+2.8%、食品価格の低下が続いて6年ぶりの低水準に -
2025年06月13日
年齢制限をすり抜ける小学生たち -
2025年06月13日
欧州保険会社が2024年のSFCR(ソルベンシー財務状況報告書)を公表(2)-SCRの算出(内部モデルの使用状況と分散効果の状況等)- -
2025年06月13日
DeepSeekに見るAIの未来 -近年のAI進化の背景とは -
2025年06月13日
株主提案による役員選任議案-フジメディア・ホールディングス
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
【【10-12月期米GDP】前期比年率+2.6%、底堅い成長が持続】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
【10-12月期米GDP】前期比年率+2.6%、底堅い成長が持続のレポート Topへ