2017年05月01日

【1-3月期米GDP】前期比年率+0.7%、個人消費の低迷で14年1‐3月期以来の低成長

経済研究部 主任研究員   窪谷 浩

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1.結果の概要:成長率は、前期から大幅低下、市場予想も下回る

4月28日、米商務省の経済分析局(BEA)は1-3月期のGDP統計(1次速報値)を公表した。1-3月期の実質GDP成長率(以下、成長率)は、季節調整済の前期比年率1で+0.7%となり、10-12月期(同+2.1%)から大幅に低下、市場予想(Bloomberg集計の中央値、以下同様)の同+1.0%も下回った(図表1・2)。
(図表1)米国の実質GDP成長率(寄与度)/(図表2)米国のGDP(項目別)
1-3月期の成長率を需要項目別にみると、個人消費が前期比年率+0.3%(前期:+3.5%)と、前期から大幅に伸びが鈍化し、14年1-3月期(同▲1.2%)以来の低水準となるなど、成長率低下の大きな要因となった(図表2)。また、政府支出は▲1.7%(前期:+0.2%)と前期からマイナスに転じた。さらに、在庫投資の成長率寄与度も▲0.93%ポイント(前期:+1.01%ポイント)と3期ぶりにマイナスに転じ成長率を押下げた。

一方、民間設備投資が前期比年率+9.4%(前期:+0.9%)と、前期から伸びが加速し、13年10-12月期(同+9.5%)以来の水準となったほか、住宅投資も13.7%(前期:+9.6%)と前期からさらに伸びが加速した。また、前期に大幅な成長押下げ要因となっていた外需は、純輸出(輸出―輸入)の成長率寄与度が+0.07%ポイント(前期:▲1.82%ポイント)と僅かながら成長押上げ方向に転じた。

このように、1-3月期の成長率は3年ぶりの低成長となったものの、個人消費の落ち込みは天候要因などの一時的な影響があったと考えられるほか、ここ数年は季節調整の影響により1-3月期の成長率が低くでる傾向があることから、それほど低成長を気にする必要はないだろう。4-6月期は、個人消費の伸びが再び加速するとみられ、米経済の底堅さを確認する展開となろう。
 
 
1 以降、本稿では特に断りの無い限り季節調整済の実質値を指すこととする。

2.結果の詳細:

(個人消費・個人所得)自動車、公共料金が鈍化の要因
1-3月期の個人消費のうち、財消費は前期比年率+0.1%(前期:+6.0%)と、前期から大幅に伸びが鈍化した(図表3)。非耐久消費財が+1.5%(前期:+3.3%)と前期から伸びが鈍化したほか、耐久消費財が▲2.5%(前期:+11.4%)と、16年1-3月期以来のマイナスとなった。非耐久消費財は、ガソリン・エネルギーが▲8.0%(前期:▲1.7%)と前期からマイナス幅が拡大したほか、衣料・靴が▲5.1%(前期:横這い)と前期からマイナスに転じた。耐久消費財では、自動車・自動車部品が▲16.1%(前期:+16.2%)と2桁の伸びとなった前期から一転、2桁の落ち込みとなった。

一方、サービス消費は+0.4%(前期:+2.4%)と、こちらも前期から伸びが鈍化した。医療サービスが+3.2%(前期:5.6%)と前期から伸びが鈍化したほか、住宅・公益が▲2.3%(前期:▲1.4%)と前期からマイナス幅が拡大した。住宅・公益は、暖冬の影響で暖房費需要が低下したことから公共料金の支出が抑制されたようだ。

所得は、実質可処分所得が前期比年率+1.0%(前期:+2.0%)と前期から伸びが鈍化した(図表4)。貯蓄率は5.7%(前期:5.5%)と前期から上昇した。
(図表3)米国の実質個人消費支出(寄与度)/(図表4)米国の実質可処分所得伸び率と貯蓄率
(図表5)米国の実質設備投資(寄与度)と実質住宅投資 (民間投資)全ての項目で伸びが加速
1-3月期の民間設備投資の内訳をみると、建設投資が前期比年率+22.1%(前期:▲1.9%)と前期から大幅なプラスに転じたほか、設備機器投資が+9.1%(前期:+1.9%)、知的財産投資も+2.0%(前期:+1.3%)と、前期から伸びが加速した(図表5)。

一方、住宅投資では、戸建てが前期比年率+11.3%(前期:+10.0%)、集合住宅も+23.8%(前期:+11.5%)と前期から伸びが加速した。
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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

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