2016年11月30日

【アジア・新興国】韓国政府が個人年金法の制定案を立法予告-個人年金は今後普及するだろうか?-

生活研究部 准主任研究員   金 明中

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■要旨
 
  • 韓国における個人年金の加入率は2015年末現在17.6%で、加入者数が初めて900万人(904.8万人)を超えた。
     
  • 年齢階層別加入率は、40代(30.6%)、50代(26.6%)、30代(26.5%)の順で高く、30代~50代の年齢階層が個人年金の全加入者に占める割合は約76.8%に達した。
     
  • 加入率と一人当たり所得の相関を見ると、一人当たり所得が高い蔚山やソウル等の加入率が高く、加入率と一人当たり所得の関係は正で統計的に有意(相関係数:0.829、1%水準で有意)であった。
     
  • 個人年金の積立金は1994年の2.5兆ウォンから2015年には292.2兆ウォンに大きく増加した。個人年金の加入率が増加し、積立金が増加している理由としては公的年金だけでは十分な老後保障ができないという意識が人々の間に広がっている点が考えられる。
     
  • 金融委員会は、今年の5月31日に「個人年金法の制定方向」を発表し、11月8日に「個人年金法」を制定する趣旨と主要内容を国民に知らせ、国民の意見を聞くために個人年金法の制定案を立法予告した。
     
  • 今回の個人年金法の制定案の中で最も目立つのは「投資一任型商品」の導入である。今まで、韓国で個人年金は高齢者の老後所得に直接的な影響を与えるということで、収益性よりは安全性が重視されてきた。しかしながら「投資一任型商品」は、加入者から投資に関するすべての権限が委任された金融機関が加入者の投資性向に合わせて年金資産を運用する商品である。期待リターンが高いがそれだけリスクも高い。
     
  • 韓国政府は、個人年金法の制定により私的年金の活性化や普及を目指すだけではなく、財源を確保し、公的年金の所得保障もより充実させる必要がある。

■目次

1――韓国における個人年金の加入状況等
2――2016年11月8日、韓国政府が個人年金法の制定案を立法予告
3――おわりに
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生活研究部   准主任研究員

金 明中 (きむ みょんじゅん)

研究・専門分野
社会保障論、労働経済学、日・韓社会保障政策比較分析

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