【6月米住宅着工、許可件数】住宅着工・許可件数ともに市場予想を上回る伸び。ただし、4-6月期は前期からモメンタムが低下

経済研究部主任研究員窪谷浩

1．結果の概要：住宅着工、許可件数ともに市場予想を上回る結果

7月19日、米国センサス局は6月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数（季節調整済、年率）は118.9万件（前月改定値：113.5万件）と、前月から増加、市場予想の116.5万件（Bloomberg集計の中央値、以下同様）も上回った（図表1、図表3）。

住宅着工に先行する住宅着工許可件数（季節調整済、年率）は、115.3万件（前月改定値：113.6万件）と、こちらも前月から増加、市場予想（115.0万件）も上回った（図表2、図表5）。

2．結果の評価：6月は良好な結果となったものの、4-6月期では前期から伸びが鈍化

住宅着工件数は、6月の前月比が+4.8％（前月：▲1.7％）と前月からプラスに転じた一方、前年同月比では▲2.0％（前月：+6.8％）と、こちらは2ヵ月ぶりにマイナスとなった（図表3）。もっとも、15年6月が121.3万件と昨年のピークとなっていたことから、来月以降は再び前年同月比でプラスに転じるとみられる。

住宅着工件数（前月比）の地域別寄与度をみると、南部が▲1.8％ポイント（前月：▲0.4％ポイント）、中西部が▲0.9％ポイント（前月：▲0.8％ポイント）と2ヵ月連続でマイナスとなる一方、北東部が+3.3％ポイント（前月：▲3.4％ポイント）と3ヵ月ぶりにプラスに転じたほか、西部が+4.1％ポイント（前月：+2.9％ポイント）と2ヵ月連続でプラスとなった（図表4）。

住宅着工件数の先行指標である住宅着工許可件数は、6月の前月比が+1.5％（前月：+0.5％）と3ヵ月連続でプラスとなったものの、前年同月比では▲13.6％（前月：▲10.3％）と3ヵ月連続でマイナスとなったほか、ここ2ヵ月は2桁の大幅なマイナスとなった（図表5）。許可件数も15年6月は133.4万件と昨年のピークとなっていたことから、来月以降は前年同月比でプラスに転じると見込まれる。

次に、戸建て、集合住宅でみると、一戸建てが前月比+1.0％（前月；▲1.4％）と前月からプラスに転じたほか、集合住宅が+2.5％（前月：+4.1％）と3ヵ月連続でプラスとなった（図表6）。

（図表5）住宅着工許可件数（伸び率）/（図表6）住宅着工許可件数前月比（寄与度）

一方、4-6月期で住宅着工、許可件数（3ヵ月移動平均、3ヵ月前比）をみると、許可件数は▲0.9％（1-3月期：▲23.3％）となり、2期連続でマイナスとなったほか、住宅着工は+2.9％（前期：+6.0％）と、前期から伸びが鈍化した（図表7）。このため、4-6月期のＧＤＰにおける住宅投資は、前期比年率+15.6％と2桁増の高い伸びとなった前期から、伸び鈍化が見込まれる。