- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 経済予測・経済見通し >
- 米国経済の見通し-4-6月期は成長再加速見通しも、労働市場回復の持続可能性を見極める必要
2016年06月09日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
- 米国の1-3月期成長率(前期比年率)は、+0.8%と10-12月期の+1.4%から低下した。前期に続き在庫投資、純輸出、設備投資が成長率を押下げたほか、労働市場の回復基調が持続しているにも係わらず、個人消費が+1.9%の伸びにとどまったことが大きい。
- 2月にかけて急落した原油相場と資本市場は、足元では年初を上回る水準まで回復した。さらに、1-3月期に振るわなかった個人消費についても、4-6月期は伸びが再加速したとみられることから、4-6月期の成長率は再加速が見込まれる。
- 一方、4月以降2ヵ月連続で雇用統計は悪化を示しており、労働市場の回復持続性に懸念がでている。当研究所では、労働市場は回復ペースの鈍化は見込まれるものの、回復は持続するため、個人消費主導の成長が持続すると予想している。成長率(前年比)は、16年が+1.9%と15年の+2.4%を下回るものの、17年には+2.4%に再加速しよう。
- 金融政策は、緩やかな政策金利の引き上げが続き、16年は7月と12月の年2回の追加利上げを見込む。もっとも、7月発表の雇用統計で雇用増加ペースの再加速がみられない場合には、追加利上げ時期の先送りが見込まれ、年内利上げは1回に留まろう。
- 米国経済に対するリスク要因としては、原油相場や資本市場が再び不安定化することに加え、11月に予定されている大統領選挙でトランプ氏が勝利し、米国の政策予見可能性が低下することで米実体経済に悪影響がでることが挙げられる。
■目次
1.経済概況・見通し
・(経済概況)1-3月期の成長率は前期から低下。個人消費が期待外れ
・(経済見通し)成長率は16年+1.9%、17年+2.4%を予想
2.実体経済の動向
・(個人消費)底堅い伸びを予想も、労働市場回復の持続可能性を見極める必要
・(設備投資)原油安、ドル高が重石。原油安は緩やかに解消へ
・(住宅投資)住宅市場は伸び鈍化も回復が持続
・(貿易)純輸出の成長率寄与度は当面マイナスが持続
3.物価・金融政策・長期金利の動向
・(物価)総合指数は原油価格の上昇に伴い緩やかに上昇へ
・(金融政策)16年の追加利上げは7月、12月の2回(合計0.50%)を予想
・(長期金利)緩やかな上昇を予想
1.経済概況・見通し
・(経済概況)1-3月期の成長率は前期から低下。個人消費が期待外れ
・(経済見通し)成長率は16年+1.9%、17年+2.4%を予想
2.実体経済の動向
・(個人消費)底堅い伸びを予想も、労働市場回復の持続可能性を見極める必要
・(設備投資)原油安、ドル高が重石。原油安は緩やかに解消へ
・(住宅投資)住宅市場は伸び鈍化も回復が持続
・(貿易)純輸出の成長率寄与度は当面マイナスが持続
3.物価・金融政策・長期金利の動向
・(物価)総合指数は原油価格の上昇に伴い緩やかに上昇へ
・(金融政策)16年の追加利上げは7月、12月の2回(合計0.50%)を予想
・(長期金利)緩やかな上昇を予想
(2016年06月09日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1824
経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/19 | 米住宅着工・許可件数(25年2月)-着工件数(前月比)は悪天候から回復し、前月から大幅増加、市場予想も上回る | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/10 | 米国経済の見通し-25年初から関税政策をはじめ、経済政策は混沌の極み。景気後退回避を予想もリスクは上昇 | 窪谷 浩 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/10 | 米雇用統計(25年2月)-非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったほか、失業率は横這い予想に反して上昇 | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/03 | 米個人所得・消費支出(25年1月)-特殊要因で個人所得(前月比)は1年ぶりの上昇となった一方、個人消費は市場予想を下回る | 窪谷 浩 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年03月19日
貿易統計25年2月-関税引き上げ前の駆け込みもあり、貿易収支(季節調整値)が黒字に -
2025年03月19日
米住宅着工・許可件数(25年2月)-着工件数(前月比)は悪天候から回復し、前月から大幅増加、市場予想も上回る -
2025年03月18日
長期投資の対象、何が良いのか-S&P500、ナスダック100、先進国株式型で良かった -
2025年03月18日
中国で求められる、働きやすく、子育てしやすい社会の整備【アジア・新興国】中国保険市場の最新動向(68) -
2025年03月18日
グリーン車から考える日本の格差-より多くの人が快適さを享受できる社会へ-
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【米国経済の見通し-4-6月期は成長再加速見通しも、労働市場回復の持続可能性を見極める必要】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
米国経済の見通し-4-6月期は成長再加速見通しも、労働市場回復の持続可能性を見極める必要のレポート Topへ